日々のルーティーンは「本日のコード」を終えて現在は「本日のアルペジオ」に進んでいる自分ですが僕の音感。少しずつですが確実によくなっています。このブログは基本的には「自分に必要なこと」をやっているだけですので、もしご自分に役に立ちそうと思われるみなさまはお気軽にご参加ください。自由参加()ですしもちろん費用はいただいていません。「本日のコード」「本日のアルペジオ」ともカテゴリーにまとめをすべてアップしてあります。音が聞けますのでご参考になさってみてください。さて話を戻すと、音感がよくなった結果去年ブログを始めた時にはわからなかった「コードの意味」が少しずつわかるようになってきました。今回は途中となっている「和音博士」にひさびさにもどってセカンダリードミナントの代理コード#dim(言葉を知らない方にものちほど意味を分かりやすく説明しますのでご安心ください)について考えていきたいとおもいます。
結論
結論から書いたほうがいいという話を聞いたので結論から。
コード(音楽といってしまってもいいくらい)の理解でキモとなるのは「ドミナント進行」
#dimコードはそのドミナント進行の出発点になる。なのですごく使えるしよく使われる
ドミナント進行の出発点はStrfまたは「セカンダリードミナント」
#dimコードは「セカンダリードミナント」の変化形(1音違い)
「セカンダリードミナント」も基本コードの変化形(基本1音違い)なので#dimは基本コードから順を追っていけば簡単にみつかって使えるようになる
#dimの特徴はベース音が「音階以外」の音になっていること。だから楽曲にこれまでにない「幅」と「彩」を加えられる
まずはこの画像を見てください
上段からダイアトニックコード・セカンダリードミナント・#dimの順です。

僕はfからfの例の左手で「弾ける」パターンで音を入力しただけですがすべて「和音博士」のとおりピッタリ判定されています。(ルートを指定するのがコツ。しないと同じダイアトニックコードでも複雑な表記になってしまいます。)こんなふうに今回の内容も順序を追っていけば 僕でもわかる内容ですから難しそうな#dimの文字に騙されずについてきてください。
ドミナント進行について(おさらい)
Strf⇒stDmの進行です。tfの6半音がdmの4半音に狭まって安定することで音楽の進行感を作り出します。ドミナント進行は特に重要なため別に記事を書いていますので。さらにお知りになりたい方はどうぞ。
ピアノのC7コードの正しい押さえ方│みつるの音感がよくなるブログ (4fingermusic.com)
セカンダリードミナントについて(おさらい)
音階のひとつおきの音から作られる基本のコードは全部で7つあります。先ほど見たstDm以外の6つについてもstDmと同様にそれらを終点とした「ドミナント進行」を考えることができます。安定した6つの基本コードのそれぞれにStrfにあたる音のひろがった不安定なコードが見出せるというわけなのです。これらのドミナント進行の起点になるコードがセカンダリードミナントと呼ばれます。6つのうちでlTrfを終点とするものは使われないのでセカンダリードミナントは全部で5つ。こちらも重要なので別記事にしてカテゴリーにまとめました。12key分の参考曲もあります。セカンダリードミナントが理解できると基本コードだけでつくられた曲がなぜ平板に聞こえるのかがわかります。曲を作り始めて最初に感じる「曲づくりの窮屈さ」から脱却できますのでぜひチャレンジしてみてください。
たった指1本でひけるようになっちゃうカンタン4つのセカンダリードミナント│みつるの音感がよくなるブログ (4fingermusic.com)
セカンダリードミナント│みつるの音感がよくなるブログ (4fingermusic.com)
それでは#dimについて具体的に見ていきましょう
本題に戻ってまずdimの説明から。dimはディミニッシュと読みます。ディムと略すこともあるようですね。コードとしてはシンプルですべての音の間隔が3半音の均等割になっています。1音階は12半音ですから4和音できれいに等分割できて第5音は1オクターブ上のはじめの音に戻ってきます。これがdim7コード。4つの音は均等なのでどれでもルートになることができます。4つの音のセットが重複なく3種類なので構成音の組み合わせは3パターンしかありません。
C,D#,F#,Aが構成音のCdim7,D#dim7,F#dim7,Adim7
C#,E,G,A#が構成音のC#dim7,Edim7,Gdim7,A#dim7
D,F,G#,Bが構成音のDdim7,Fdim7,G#dim7,Bdim7以上です。
とはいえ12種類すべてが1曲にでてくるわけではなく「和音博士」をみていただけばわかる通りひとつのkeyでの頻出は4種類となります。
その4種類はこちらになります。#Ⅱdim7 , #Ⅴdim7 , #Ⅰdim7 , #Ⅳm7b5
1)#Ⅱdim7
こんなふうにダイアトニックコード → セカンダリードミナント → #dimと変形していきます。複雑そうに見えますがセカンダリードミナントからはtがdに一音しか変わっていないことにご注目ください。だから「代理」できるんですね。
Trfl → Trifil → Rifild (Ⅶm7b5 → Ⅶ7 → #Ⅱdim7)
左手で覚えられるいつもひいている形のほうがイメージしやすいのでfからfまでの範囲におさめます。サンプルとしてkey=CのPSS-A50の鍵盤図を示します。いちおうfiはセーフということでご理解ください()。
すると
ダイアトニックlTrf → セカンダリードミナントlTrifi → #ディミニッシュldRifiと変化していきます。



そしてこれら3つのTiのコードの基本の行き先はすべて同じでstrMです。

ldRifi ⇒strMの進行に注目してください。dimコードは4音どれもルートになれるのでどれがルートだったか迷うかもしれません。でも大丈夫。もともとの行き先のコードを思い出せばいいんです。ldrifiだったらもともとはダイアトニックのlTrfだったことを思い出せば進行先はstrMでした。だからルートはMの半音下のRi(key=CのときD#)でいいんです。この法則はほかの#dimにもすべて当てはまります。
2)#Ⅴdim7
おなじようにダイアトニックコード → セカンダリードミナント → #dimの変化を見ていきます。
Mstr → Msitr → Sitrf (Ⅲm7 → Ⅲ7 → #Ⅴdim7)
左手の守備範囲におさめると
strM → sitrM → Sitrf



行き先はsLdm。

ここでも Sitrf ⇒sLdmと進行するときSi⇒Laとベースが半音上昇になっています。
3)#Ⅰdim7
続けます。ダイアトニックコード → セカンダリードミナント → #dimの変化を見ていきます。
Ldms → Ldims → Dimsli (Ⅵm7 → Ⅵ7 → #Ⅰdim7)
ひけるように左手の守備範囲におさめると
sLdm → sLdim → sliDim



行き先はfldR。

ここでも sliDim ⇒fldRと進行するときDi⇒Rとベースが半音上昇します。
<20231215追記>
最初の記事ではsteDimとしていましたが、Lの変化形であることをかんがえるとsliDimのほうが自然。sliDimにあらためます。
4)#Ⅳm7b5
4つめはこちら。これだけハーフディミニッシュです(dim7は音の間隔が全部3半音ですがm7b5は最後が4半音になります)ダイアトニックコード → セカンダリードミナント → #dimの変化を見ていきます。
Rfld → Rfild → Fildm (Ⅱm7 → Ⅱ7 → #Ⅳm7b5)
ひけるように左手の守備範囲におさめると
fldR → fildR → Fildm



行き先はStrf。

同様に Fildm ⇒Strfの進行でFi⇒Soとベースが半音上昇します。
サンプルは?
こんな曲があります。key=G
verseの進行こんな風ですね。
stDm ⇒ sliDim ⇒ fldR ⇒ Strf
上のパターンでいくとsliDimですから3)の#Ⅰdim7ですね。ちゃんと行き先がfldRになってます。
dimには2種類くらいよくある使い方があります。主たるものはセカンダリードミナントの代理コードとしての使い方。二つのコードの間をなめらかにつなぐパッシングディミニッシュというのもあります。これもルートが半音上がることで落ち着くので意味としては同じですね。上の曲も生き先は通常のfldRになってます。ポイントは隣り合ったダイアトニックに挟むところですね。ちょっとスローな曲のverseのはじまりとかchorusの最後の方とか聞き入るところで使うと効果的だと思います。
いかがだったでしょうか?
難しくかんがえないでdrmfslt におとしてひいてみるのが早道ですね。「和音博士」の範囲は覚える=使いこなすためにもひけるようになっていたほうがいいと思います。このブログは今後もそのお手伝いをしていきます。もちろん僕の稚拙なチュートリアルなんかじゃなく名曲のかんたんなカバーで!それなら一発で覚えられます。というか曲はもう知っているわけなので()。例えばこんな進行。偶然思いついたのですがざっと40年前の日本の有名曲の歌いだしが思い浮かびませんか?stDm ⇒ Ldrifi ⇒ fldR ⇒ Strf 星野源さんも好きな曲らしいですよ。二番めのdimは1)の形ですがサブドミナント代理でもパッシングでもなくⅥのコードの変化形のようですね。Ⅵdim7として1625進行と見たほうがよさそうです。こんなインパクトが出せるのはdimならでは。それではまた次回のブログでお目にかかりましょう!