これまで本ブログではたびたび「トレーニングのためのトレーニング」などと失礼なことを申し上げてきました。自分の考えが「浅かった」と反省しています。自分に生ずるプラスの変化はどんなにちいさなものでも嬉しいもの。リハビリを考えればわかることです。自分の音感がよくなりつつあるのを実感してようやく気付きました。自分がなまじ「曲」をつくって発表したことがあったりしたせいで作曲のほうが練習より上だというような「おごった」気持ちがあったことはまちがいありません。おわびします。音楽を楽しむことにもとより優劣はありません。そもそも目的さえ必要のないことです。ただ楽しめばいい。今回はおわびの気持で「究極の音感育成アプリ」ともいうべき無限の音感トレーニングが可能になるアプリをご紹介します。
この記事でわかること
- 音感トレーニングゲームのしくみ
- スケール内のフレーズに
- クロマチックと無音の間
- みつる式でひいてみよう
さっそくご紹介します
そのアプリとはMelody Sauce2というもの。自分で音を出せるDAWの音源でMIDI FXのバージョンもあるアプリ。曲のジャンルを指定するとそれにふさわしいメロディをふさわしい音でアプリが無限に生成します。リンクはこちら(アフィではありません。)
Melody Sauce 2 by Evabeat | Official Store – The Future of Melody Creation
音感トレーニングゲームのしくみ
決まった音階の中からアプリが「出題」としてなにか音を出しその音高を当てれば正解というのが音感育成ゲームの基本形になります。出題する音の数はアプリや難易度によってさまざまあります。
メロディ・ソース2を音感トレーニングにつかうメリット
DAWソフトなので当然のことですがいくつかの強力なメリット・アドバンテージがあります。イヤートレーニングとして「最強」の理由です。
- キーやスケールが自由に設定できる
- 単音でなくフレーズを生成(フレーズの長さを指定できる)
- 自分の音源をつかって音を出せる(わかりやすい音を選べる)
- おまけ「ジャンル(300プリセット)」の特長を学べる
メロディ生成アプリ
実はというとヘンですが、メロディ・ソースは作曲支援アプリ。AIがメロディの提案をしてくれるというもの。先般の記事でもふれたスケーラーと似た位置づけのアプリで僕のブログでは「リバースエンジニアリング」の「Rサイド」のシリーズのひとつとなります。基本的には自分の中にないものを外から借りてこようという発想のアプリ。
ただ「出題者」として考えればこれほど優秀なアプリもありません。こちらが望む限り無限に問題を出題してくれる先生というわけ。ゲームとはちがい時間制限も正解・不正解もありませんのでこころゆくまでメロディラインの音列を追いかけていけます。
よいと思うのは「音楽的に魅力的なフレーズ」の案としてメロディを考えてくれること。もし一聴してひきたくない。つまらない・美しくないフレーズだなと感じたらあえてひくひつようはありません。気に入ったフレーズを追ったほうが100倍効果があります。自分が興味のわかないものをひいても「みにつかない」からです。すこしでも「いや」と感じたらスキップしましょう。ボタンをクリックするだけです。そしてすきなパターンが見つかったら速度は半分に落とすことができます。リスニングにはぴったりの機能ですね。
[Pop] のパターンから。4小節を2回。ドラムはいつも元気EZdrummer。ちょっとかわいらしくくりかえしのあるピアノのフレーズですね。
トレーニング兼作曲
もしあなたが作曲するひとならの話ですがこうしてフレーズをひいているうちに耳だけでなくジャッジの能力も磨かれていきます。自分の好みが明確になっていくとも言えます。ひくうちに自分の曲につかうフレーズが自然とたまってくる、というわけ。使えるフレーズつかえないフレーズをジャッジしていく作業は「作曲」にはつきものですがそれが自然にできてしまいます。もともと自分のなかにはない「出題」ですからシンプルなフレーズであっても自分には予想外のもの。新鮮な発見があります。
クロマチックと無音の間
音階を全部半音でうめていくと(クロマチックスケールといいます)かえって調の感覚はなくなってカオスになります。同じように音符で小節を埋めるとリズムはなくなって「爆音」に。音楽はこの中間のほどよいところに存在しています。メロディも同様に適度な規則性とランダムさによってその魅力を生み出しています。このアプリはその秘密にAIでせまろうというものですが、サンプルを聞いていただいてもわかるとおり必ずどこかしら手を入れる必要はあってやはり最終的なジャッジにはやはりあなたのセンスが欠かせません。
作曲家の技術とは?
僕のあげたYouTube動画。ピアノえほんの「となりのトトロ」ですが驚異の平均再生率(終りまで見続けてくれた人の率)90%をたたき出しています。これはいかに久石さんのメロディラインが魅力的かを示しています。シンプルな中にも聞く人を飽きさせない展開力のすばらしさですね。
爆音・カオスはたしかに絶対値としての「パワー」は持っていますがそれにかたまってしまうとバリエーションがなくなって「飽きられる」。これは曲だけでなくジャンルについてもいえること。そうなると先入観で「はじめから聞いてもらえない」という状態になってしまいます。
素直な気もち
驚かせよう・感動させようとしてもそれはこちらの都合。だいたいは空回りしてうまくいきません。それより自分の感動を素直に伝える事です。そのためには素直な気持ちになることが大切。そう思って反省をこめて今回の記事を書きました。クリエーターにとっては自分の感動がすべての出発点になります。よいものをみつけてみなさんとシェアできるようがんばりますのでまたおつきあいください。