ピアノの音感がなまらないように、僕がいま一日一回はひいているのが今日ご紹介するワンセット。いつも言っているとおり練習曲ではありませんので、ぜったい練習はしないでください。あくまで確認用と考えてほしいのですが、あるときこれをひくときにメトロノームを使ってみたらめっちゃ発見がありました。いつものように話をひろげます()。もちろん人間は動物なのでタイトルは矛盾なんです。でも、読んでいただければ意味はわかると思います。
この記事でわかること
- 進化と音楽
- 使わないとなにが起きている
- なぜメトロノームが必要なのか?
- おすすめメトロノーム
もし人間が動物だったら
楽器はひきませんよね。人間が音楽を奏でるのは動物から進化した結果です。音楽はコミュニケーションのツールで社会生活を維持・強化するものだったから人間の脳の発達とともに発展したんです、言葉といっしょですね。言葉を使うことで脳がさらに大きくなったように、音楽でも脳は大きくなったでしょう。音楽で頭がよくなるというのは(個人に効果があるかどうかは別として)進化という大きな目で見れば間違いのないことです。
動物なら
動物は可能なことは最速で処理するようにつくられています。正確に言えば、最速で処理できるものだけが生き残った結果、そうなっています。動物に可能なことは基本的にはふたつしかありません。餌をとること・捕食者から逃げること。そんなわけで動物はできることはつねに最速でこなします。
音楽をきいているとき
音楽をきいているときに何がおきているのか?についてはこちらの記事でくわしくかきました。当ブログの人気記事です()。正確なリズムが頭の中に自然に生まれていました。
いにしえのリズムマシンに教わる音楽の本質(みつるの音感がよくなるブログ)
音楽をひいているとき
ところが音楽を楽器で演奏しようとするとき、僕たちは動物になっちゃうんですね。できることを最速でこなす動物です。かんたんにひけるところはすぐひいて、むずかしいところはできるスピードで()。「走る」とか「もたる」とか悪いことのように言われますが動物としては当たり前。つねに最速なんですから。
頭の中の時間は伸び縮みする
このようなわけで、僕たちの時間感覚は脳内では自由に伸び縮みするのが普通です。しかし、何らかの方法で「待つ」ことや「等間隔にひく」ことをせず、自分の時間でひいていては音楽として成立しません。
頭の中の等間隔のリズムを復活させるには?
音楽をきいているときには僕たちは頭の中に正確なリズムを生み出せていたんでしたよね。紹介した記事でもふれていますが、それはいま聞いている音楽よりもむしろ正確なほどのリズムでした。ならばそれを復活させればいい。それを可能にしてくれるのがメトロノームです。
音を出すのに必要になる調整
1分は60秒なので60000ミリセカンド。BPM(一分当たりの4分音符の数)150の曲なら4分音符の長さは60000÷150=400ミリセカンド(0.4秒)になります。僕たちが感覚入力をうけてから指を動かす動作を行うまでにかかる時間がだいたいこのくらい。メトロノームの音を聞いてからでは全く間に合いません。そこで僕たちは何をするかというと頭の中に時間が400ミリセカンド先行したバーチャルな空間をつくりだすんでしたね。その空間でメトロノームの音を音が鳴ったと同時に聞くようにする。それに合わせてピアノをひけばピッタリメトロノームの音と同時に自分のピアノの音が鳴るというわけなのです。
実際やってみると
最初は面白いくらいぜんぜん合いません()。もちろんBPM150ははやすぎます。BPM60くらいでやってみてください。それでも全然うまくいきません。上に書いたような調整が必要だからなんですね。ただ不思議なことにちょっとやっていると自然と合うようになってきます。ずれをフィードバックして脳がどのくらいずれを修正すればいいのか学習するからですね。自転車もはじめは全然乗れないのに練習しているうちに急にうまく乗れるようになります。あれと似た感覚です。
メトロノームを使うことの意味
メトロノームを使わなかったときは、ひけるスピードで最速でひいていました()。今は音が鳴るその瞬間が基準です。音のタイミングをそろえることを意識すると、ひきやすいかどうかには注意がむかなくなります。この瞬間、ひいている曲のクオリティが爆上がりすることは想像していただけると思います。動物から人間になる瞬間ですので()、進化の過程をご自分で追体験できる貴重なチャンスです。
おすすめメトロノーム
僕が使ってるのはこれ。シンプルです。初期設定の「機械式3」の音は昔ながらのメトロノームの音ですね。ずっと聞いていられます。DAWのクリック音もこれに変えたい()。
https://apps.apple.com/jp/app/id1471121524
いかがだったでしょうか?
メトロノームの話は以前も書きましたが、重要性を感じた瞬間が大切かな?と思うのでまた記事にしました。どれかがみなさんの感覚にフィットすればいいなと思います。それではまた次回のブログでお目にかかりましょう!
<参考>
ひいているのはこんな感じです。(今回はタイトルだけですみません。参考記事へのリンクをはります。つづけてひくので現在ひいているものの譜面は少し変わっています。最新版はあとで記事を追加します。)
右手音階
左手音階
YAMAHA PSS-A50完全対応(25鍵MIDIキーボードにも)左右の12スケール
左手もホームポジションの考えかたで音階fsltdrmfが見つけやすくなりました
コードトーンアルペジオ
YAMAHA PSS-A50完全対応コードトーンアルペジオまとめページ
3コード
YAMAHA PSS-A50対応3コード12keyおぼえられるソング(両手クロマチック)つくりました!
ダイアトニックコード