いろいろ書いてきた「コードのひきかた」ですがある程度考えが固まってきました。行きつ戻りつのように見えるかもしれませんが実践することでわかってくることもあります。以前の記事に比べると僕自身の理解も「深まっている」とプラスにお考えいただければ幸いです。音としては4度進行が基本ですが指の動かしやすさに関してはその限りではありません。両立をどのように図るのか?今回は図解という方法でチャレンジしたいと思います。
この記事でわかること
- 今回もダイアトニックです
- fからfの範囲を図示してみました
- コードの形はこんなふうになっている
- 見ないでひける方法を考えましょう
自分の頭の中
現在頭の中にあるイメージを画像にしてみます。おおむねこんな風です。
言葉で少し補足します。一番上が音の範囲。fからfまでの範囲がしめされています。偶然ですがkey=Cの鍵盤イメージになっています。ダイアトニックですので今回は半音部分はありません。黒い線がある部分。実際は音がはさまっています。が、今回は煩雑さを避けて閉じてあります。fsltdrmfが隣接しているものとしてみていただいてOKです。key=Cの白鍵のイメージですね。
スタートはFldm・Strf
数字は4度進行の順ですが今は気にせずコードの「かたち」を見てください。いちばん素直に覚えられる・ひけるのはFldmまたはStrfだとおもいます。コードブックに出ている形でみなれています。ルートが最低音でひとつ飛ばし。音も聞き覚えがあるのではないでしょうか。この両者がコードが配置される場所の基準になります。ひとつずれた状態ですのでこの2つのコードだけで音階の8音全部を使っています。この2つのコードが基本コードの下限と上限をfからfまでと決めているんですね。まずはFldmをさわってみてください。Fldmのmは小指fの一オクターブ上のfのすぐ左隣の鍵盤。ルートのdの音も入っていますのでFldmは見つけやすいと思います。次はStrfですね。となりの音からスタートして音階の残りの音をたどっていきます。Fldmとの音型の違いは第4音の半音の違いだけですが音の響きはまったく違います。わずかな違いがこれほど大きな音の差を生むのは面白いですね。FldmとStrfは後ほど12keyひける曲をご紹介します。いまはお手持ちのキーボードでざっくりとご確認いただければと思います。
2つの音の移動でstDm
表の中央をご覧ください。Fldmの前半2つの音が高い方にずれます。するとf→s・l→tとなってstDmがあらわれます。当然逆もなりたちます。stDmを出発点に前半2個の音を低い方にずらすだけでFldmが作れます。あえて普通のコード表記をしますがCからFのようなコード進行。大きく手を動かしてひいていらっしゃったかたきっといらっしゃいますよね。実はそれでは手元をみないでひくのはむずかしいんです。ぜひ指2本移動だけのこのひきかたを試してみてください。演奏がはるかにラクになるはずです。同じようにStrfの後半2つの音が低い方にずれることでr→D・f→mとなってstDmとなります。このように3コードstDm・Fldm・StlfはstDmを中心に2音ずつを交換することで相互に行き来のできる関係になっています。
12すべてのkeyで3コードをひけるのがこちらの記事の曲になります。
YAMAHA PSS-A50対応3コード12keyおぼえられるソング(両手クロマチック)つくりました!
4つのコードが1つの音の移動でつくれる
以上で7つのダイアトニックコードのうちの主要な3コードがおわりました。のこりは4つですがこれらはすでにみたStrf・Fldmから1音動かすだけでつくれます。もう一度画像をご覧ください。
1)lTrfはStrfのSをlに上げます。
2)strMはStrfのfをMに下げます。
たったこれだけなんです。これならブラインドタッチできそうじゃありませんか?同様に
3)sLdmはFldmのFをsに上げます。
4)fldRはFldmのmをRに下げます。
以上でダイアトニックの7つのコードすべてがひけるようになりました。
4度進行を表にすると
それでは音の進行順(4度進行)でみてみましょう。
数字の並びがきれいにそろいました。2音ずつを必ず進行元のコードと共有しているのがおわかりでしょうか?そして新しいコードのルート音は必ず新しい音として入ってきて前のコードのルート音は構成音として残っています。これが4度進行の進行感の秘密ですね。4から5だけが例外で1音共用となっていますが、これはStrfのfが1オクターブ上にあがっているため。元の位置なら他と同様です。
4度進行の曲はこちらになります。音を聞いてみて下さい。
YAMAHA PSS-A50完全対応「ダイアトニックコード全key分覚えられるソング」こんどこそ全曲分です!
ルートの順
ルート(アルファベット大文字のところです)の音高順にならべるとこんなふうになります。最初のstDmはのぞいてコードの転回形はふたつずつ同じものが1音ずれるかたちで使われていることがわかります。
今回は図でみていただきました
いかがだったでしょうか?「fからfまでの範囲の中でダイアトニックコードがおさえられる」というのが画像から見て取れたのではないかと思います。楽曲の多くはダイアトニックコードでつくられています。またそうでないものもコードの変化形をこの範囲でおさえていけば「音として表現できる」と想像していただけたのではないかと思います。まだ少し先になりますが楽曲をこの形式でアレンジしたものもつくっていきたいと思っています。それではまたブログでおめにかかりましょう!