「練習を再開してみたけどいまひとつ手応えがない」。そんなかたはいらっしゃいませんか?音というかたちのないものが相手。自分も以前音楽の解説本をそんな思いをしつつ眺めていました。原因はどんなところにあるでしょう。そして「大人のピアノ」に必要なことってなんでしょう。大人には分別(ふんべつ)があります。分別とは理解力ということ。活かせる方法はないでしょうか。連載してきた歌う楽器がいちおう完成。よいアシストをしてくれますので記事にまとめてみました。
この記事でわかること
- 大人のピアノ
- 「体で覚える」は酷
- 充分に補える
- 自分のやっていることがわかるには?
- 「歌うキーボード 」完成
- わからないがあり得ない
- シンプルな使い方の例
大人のピアノ
いろんな責任を負っている大人。やらなければならないことはたくさん、ピアノにだけとりくむ時間が一日に何時間もとれるわけではありません。長い時間をかけて習得する技術を「これから」習うということに二の足を踏まれてしまうかたは多いと思います。人生100年時代とはいっても時間は有限。「もの」にできるまで時間がかかるということは楽しめるようになるまで時間がかかるということ。それはちょっともったいないですね。なので僕は始めた今日からすぐ楽しめるほうがいいと思っています。思ったようにひけるとシンプルなメロディであったとしてもすごく楽しいですから。
大人の理解力を生かす
とはいえ何事もそうですが「向き不向き」はきっとあります。ピアノも例外ではありません。自分が音をおいかけて楽しめるかどうかは楽器を購入したりチュートリアルをサブスクしたりする前にいったんチェックしたほうがいいと思います。このブログではこどもむけのえほんの曲を動画にしてご紹介しています。
こんなふうに曲のメロディを歌でなぞってそれが楽しいなら僕はあなたは楽器も楽しめると思います。ただ子供がする体操のように体を動かすことが求められる。そうした反復練習的なものは大人には向きません。「わからない」ままで繰り返すのは大人にとってはストレスになってしまうからです。知的な刺激や「理解できた」という喜びがないと大人は続かない。楽しくとりくむ。そのためには対象から「わけがわからない」と感じる要素を極力減らしていくことです。動画をみて「Do Re Miってなに」とおもわれているかたがいらっしゃると思いますがこの記事のなかで解説しますので「わけがわからなく」はなりません。どうぞ安心してください。
本ブログでつくってきた楽器
ピアノをさわって一番「わけがわからない」ことはなんでしょう?それはあんなにたくさんある鍵盤の何の音がなっているかわからないということ。僕はメロディを歌えるように「歌うキーボード」をつくってきました(さっきの動画で歌っていたのがそれです)。その作業が全部終了してどうなったかというと、このキーボードを使えば「何の音か判別できないことはありえない」状態をつくることができたのです。12種類ある音階はすべて「歌うキーボード」で歌うことができます。一般的な曲には中心となるキー(音の高さ)があって使われる音はすべてそのキーの音階(Do Re Mi)で呼ぶことができます。12種類ある「歌うキーボード」の中から曲のキーにあっているものをひとつ選んでください。あとは何の音をひいているかは「歌うキーボード」が歌って教えてくれます。
自分のやっていることがわかる
TVを見ていてなにか曲が流れてきたとします。その曲をひきたいとおもってキーボードにむかいます。適当に弾いてもランダムな音にしかなりません。まずキーを見つけてください。キーがわかったらその音名のついた「歌うキーボード」をプリセットのメニューから選んでください。するとどうでしょう。あなたのひくDo Re Mi Fa So La Tiと曲の音が重なるようになります。DoとFaとSoを中心にDo Re Mi Fa So La Tiをひいてみてください。メロディが「何の音を奏でているのか」がだいたいわかるようになったと思います。ここでDo Re Mi とは英米式の階名。階名とひきかたについては前回の記事でご紹介しています。
曲のキーが知りたいときに使うアプリ
キーがすぐにわからないというかたもいらっしゃると思います。そんなときよいアプリがあります。たぶんお聞きになったことがあるボーカルのケロケロ声。「オートチューン」というソフトウェアで声を加工してつくられていますが、そのメーカー、アンタレスがメアド登録で無料で使えるスマホアプリを公開しています。曲をスマホに聞かせてください。すぐに曲のキーを教えてくれます。チートな方法ですが大人は結果を得ることも大事。その先にやりたいことがあるなら活用できるものはどんどん活用していくべき。そう僕は考えます。
https://www.antarestech.com/auto-key-mobile/
iPhone版
Auto-Key | Music key detection on the App Store (apple.com)
Android版
Auto-Key | Music key detection – Google Play のアプリ
結果の画面はこちら。わかりやすい曲なら数秒で教えてくれます。
初めにやってみること
以上であなたは
- 階名Do Re Miで音をなまえでよぶ方法がわかる
- 階名Do Re Miで鍵盤をひくひき方がわかる
- 階名Do Re Miの探し方がわかる
ところまですすみました。どんな曲のメロディにも挑戦できる環境がこれで整ったことになります。大人のピアノとはこんなふうに「わからないこと」をなくしながら進んでいくべきだと僕は考えます。初心者のみなさん・はじめてみようかなと思っているみなさんのためにこのブログでは「すてきなピアノえほん」のやさしい曲を題材とした記事も連載しています。まずはそちらの記事・動画からごらんになってみてください。
今後の展開について
当ブログではひきつづき「すてきなピアノえほん」の記事をアップしていきます。『歌うキーボード』はその中で活用していきますが、自分だけでなくみなさんも使えるように環境を整えていきたいと思います。じつは「歌うキーボード」は和音もひくことができます。するとコードの理解がとてもやりやすくなることを発見しました。ひいた音の《わからない》がなくなる「歌うキーボード」ですから当然ですね。メロディがわかったら次は伴奏ですが「コード」を使うと音をバラバラにひくよりも伴奏はずっとやさしくなります。自分も学びながらですがそちらの解説もしっかり進めて行きたいと思います。それでは次の記事でお会いできるのを楽しみにしています。