アップデートきましたので、更新しました。ぱっと見はとくに変わりません。新機能はあとでふれるとして、表題のとおりセカンダリードミナントの入力をやっていきましょう。
この記事でわかること
- セカンダリードミナントとは?
- スケーラーで作っていきます
- 音を聞いてください
- 新機能はこれ?
セカンダリードミナントとは?
音階の音をルートにした、〇7の形の4和音のことです。
・形はナントカ7に決まっている
なので音階の音をルートにすれば機械的につくれます。
・進行先が決まっている
音階で4つ先のダイアトニックコードに進行します。
Ⅰ7 ⇒ Ⅳmaj7
Ⅱ7 ⇒ Ⅴ7
Ⅲ7 ⇒ Ⅵmin7
Ⅵ7 ⇒ Ⅱmin7
Ⅶ7 ⇒ Ⅲmin7
逆にいえばダイアトニックに進む前に、フィットするセカンダリードミナントをはさめる可能性があるということ。曲に合いさえすればどこでも使えるので、試してみる価値はあります。
・使うのは5個
上記の5個です。Ⅴ7はダイアトニックがもともとⅤ7。後から加工した〇7とは区別して、プライマリードミナントとよばれます。通常Ⅰmaj7に進行します。
・響き・進行感は共通
「セカンダリードミナント」とはこのⅤ7 ⇒ Ⅰmaj7の進行感がほしくてスタートをナントカ7に設定したコードたち。フリ(予備動作)を作ってダイアトニックコードに着地するためのコードたちです。
・Ⅳ7の行き先・Ⅶmin7b5の出発地は音階の外
Ⅳ7は着地点がkeyCのダイアトニックの外になります。そのため、セカンダリードミナントにⅣ7は登場しません。keyCでF7がセカンダリードミナントにないのはそのため。またⅦmin7b5に着地するセカンダリードミナントも使いません。出発地点がkeyCの外だからです。
セカンダリードミナントについては以上となります。形はひとつ、入れたい場所のダイアトニックがきまれば、コードも自動で決まる&色々なところに入れるチャンスがある。ということで、存在を知りさえすれば初心者でも必ず使いたくなるコードです。ぜひトライしてみて下さい。以下スケーラーを使って音を出していきます。
Scalerでのダイアトニックコードのつくりかた
デフォルト画面がこちら。1.MAIN画面を開いたところです。
スケールからコードを作るのがスケーラーのメイン機能。なのでとても簡単。まずScalesを選びます。
ブルーにハイライトされているAll NotesからはC, All TypesからはMajorscaleを選んでいけばC Major scale一つに絞り込まれます。
ここで表示されているをC Major scaleをクリックすると、ブルーにハイライトされてC Major scaleのダイアトニックコードが表示されます。
最初はTriadsということで3和音になっているので、7thsにして4和音に変更します。
Traiadsのところプルダウンで選択できます。
7thsとなって4和音に変わりました。おなじみのkey=Cのダイアトニックコード7個です。これをパターン1の空いているスロットに全てドラッグ・ドロップしてコピーすればOK。まとめて選択し一度に全部コピーすることもできます。
これで4.PADの画面で音を鳴らせるパターン1ダイアトニックコードが一気に完成しました。ちょっとていねいに解説しましたが、同じやり方で、どんなキーのどんなスケールでもおよそこの世に存在するあらゆるスケール()のコードを作ることができます。パターンに入れるとクリックだけでなく鍵盤でもひけるようになり音がだしやすくなります。これがスケーラーのメイン機能。面白いのでぜひ色々試してみてください。
セカンダリードミナントのつくりかた
次はパターン2にセカンダリードミナントを入れていきます。パターンはプラスボタンで増やせます。Pattern2をクリックしてください。Pattern2に移動しました。ブルーにハイライトされているのが今いるパターンです。まだ空っぽですね。
画面右はし上の方の切り替えボタンから、今度は3.chordの画面に入ってください。
ルート音を指定するとさまざまなコードを列記して教えてくれる便利なページなのですが、欲しいコードのコードネームがわかっている場合はかえって回り道になります。テキストボックスに直接入力しましょう。入れるのはC7です。大文字でなくて大丈夫です。
するとこんなふうにコードが表示されますので、C7をドラッグ・ドロップで下のパターン2の左はし(Restとなっているところ)にコピーします。
以下同様に繰り返していきます。F7はないので、とばします。G7を入れると自動的にRest(休符)が入ります。
B7まで続けてパターン2セカンダリードミナントが完成しました。
オレンジはエディット中を示しています。4.Pad画面に移動してみてください。
オレンジ消えました。Padモードだと鍵盤でひくことができます。ダイアトニックとセカンダリードミナントのパターンの切り替えは上の鍵盤のC1とD1で行います。コードの音はC2からC3でなります。
セカンダリードミナント代理コードのつくりかた
#dimはセカンダリードミナントのルートを半音上げそれを新たなルートにしたコードです。裏コード(Substitute Dominant)は#dimの第3音を半音下げてそれを新たなルートにしたコードです。1音しか違わないので、コピーしてエディットするのが早いです。ここまでドラッグ・ドロップだけでしたが、エディットは他にも応用できますのでここで説明します。
エディットのやり方
C7をドラッグドロップで新たに作ったパターン3にコピーします。4.Pad画面で行います。Pattern2の下の黒いプラスをクリックするとPattern3が作れます。
ドラッグ・ドロップはオプション(コントロール)を押しながら行います。4.Pad画面ではドラッグすると移動して、元の場所が休符になってしまいます。
C7がコピーできたら、マウスの右ボタンメニューの一番下でEdit Chordを選びます。
実行すると3.Chord画面に移動します。
一番上の鍵盤のところ。マウスクリックでオン・オフができます。好きな和音に組み替えましょう。ここでは一番下の音を半音上げて、#dimを作っていきます。
コードネームが自動で切り替わったのがわかりますか?自分が正しく音を配置できているかどうかが、コードネームから確認できます。これは便利ですね。以下同様にして作っていきます。
augコードの作り方
方法はセカンダリードミナントと同じです。3.Chord画面で直接Caugのように入力します。ブラックアダー(black adder)コードはaugコードに5度先の半音下の音をルート音としてプラスします。#dimのようにコードのエディットを使って、コピーしたaugコードにルートを足していってください。Ⅳaug,Ⅳaug/bⅠはⅦm7b5に違和感なくつながります。
完成したのはこちら
全て入力したのがこちら。
これをこんなリズムで鳴らしてみます。
スケーラーの入力データはこんな感じになります。
セカンダリードミナントはダイアトニックコードに続く4分音符のところで使っています。
音はこんな感じになりました
コード表記のわかりやすさを優先しています()。
ダイアトニック
セカンダリードミナント
#dim
裏コード
オーギュメント
ブラックアダーコード
Scaler2.9の新機能
最後になりましたが、2.9新機能をリストアップします。注目はコード進行のライブサジェストです。現在選択中のコードに対して、次のコードを提案してくれるというものです。機能するのは1.Mainモード。suggestボタンを押したら、liveと書いてあるスイッチをクリックしてみてください。パターンのコードを選択するたびに提案されるコードが変わるはずです。その中から次のコードを選ぶと、選択肢は選んだコードにあわせてまた変更されます。
サジェスト機能の詳細についてはこちらの記事の後半にあります。あと、読み返して気づきましたが、サジェストの中にコード進行ジェネレートの機能「Pattern Generation」は元々ありました。ただsuno AIのように1曲まるまるポップな曲を作るようなものではなく、むしろ実験的に新しい響きを試すためのものです。今回追加されたliveモードの方がジャッジが人間に任されているぶん、ずっと使えるのではないかと個人的には思います。やはり人手による分析と組み替えがScalerの真骨頂ではないでしょうか?
バージョン 2.9.0 の新機能
コンテンツ & 再生
- 8 つの新しいアルペジオパターン(Converge, Diverge, Converge/Diverge, Thumbs Up, Thumbs Up/Down, Pinky Up, Pinky Up/Down, Spanish Tremolo)
- 22 の新しいソングコードセット(Celtic, Chill, Country, Alternative, Progressive Rock)
- 新しいトリプレットベースカテゴリーに 13 の新しいベース表現
- “Progressive” コードセットカテゴリーを “Progressive House” に名称変更
- 新しいライブサジェストモード
- 現在演奏しているコードに基づいて、進行に適したコードを生成します。サジェストはコードごとにリアルタイムで更新されます。
- 新しい ‘Passages’ アーティキュレーション
- コード進行に動きを加える 7 つの新しい ‘Passages’。キー・スイッチを使用して演奏中にパッセージを切り替え可能。
ギターフィーチャー
- フレットボードとコードチャート表示の左手表記
その他の改善点
- 改良された自動コード検出
- 一般的なバグ修正と DAW 互換性の向上
- スケーラー 2.8 で欠けていた ‘Slap bass’ 内部音源の再導入
公式動画