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サークル・オブ・フィフスを一番理解しやすい「みつる式タッチタイピングピアノ」でひいてみよう

メロディによってはひきにくいこともある「みつる式」ですがひとつの手の形ですべての音階を網羅できるのは絶大なメリット(自画自賛すみません)。以前の記事でご紹介したときは「ぺたぺたとはりつける」と表現しましたがちょっとわかりにくかったかもしれません。今回はあたらしくなったNotionで譜面をつくってみました。みなさんの理解の助けとなるようにわかりやすい解説がんばります。

この記事でわかること

・みつる式タッチタイピングピアノとは

・サークルオブフィフスのしくみ

・「みつる式」でのひきかた

・調号に対する苦手意識がなくなります

かんたんなことをかんたんに

この記事で説明することはとても単純です。なので簡単なことを聞くものと思って読んでください。これまでサークルオブフィフスについてよく理解できなかったかたもいらっしゃるかもしれませんが関係ありません。内容自体は単純だからです。むずかしい話だと思って聞くと理解できなくなります。かんたんなことをできるだけかんたんに説明したいと思います。

「みつる式タッチタイピングピアノ」について

そういう楽器があるわけではなく「ひきかた」です。普通のピアノのひきかたとは全く違いますが、だから単純です。右手の4本の指しか使いません。不器用な小指は休ませてください。どの指を使うかは音によって決まっています。Do 親指 Re 人差指 Mi 中指 Fa 薬指。メロディが上に行ったら手のかたちは変えずに So 親指 La 人差指 Ti 中指 Do 薬指。下に行っても同じです。(Do Re Miは英米式のドレミです。半音を歌えるのでこのブログで採用しています。この記事ではローマ字表記と思って単純に読み替えていただければと思います。)ルールはこれだけです。みつる式については過去記事にまとめがあります。ご参考まで。

音階とは

ピアノにある12音を全部ひいてしまうとランダムな音の連続になって「美しさ」を感じることはできません。数をしぼって使うと「音階」となり曲と感じられるようになります。時代や地域によってもさまざまな音階がありますが、7音からなる音階Do Re Mi Fa So La Tiはこれを軸に現在の音楽が説明される代表的存在です。

一つの手のかたちでOK

Do Re Miの音階は2回鍵盤に手を置くことでひけます。中央のC4からひく場合をみてください。白鍵はとなりあっていますが間に黒鍵がはさまっているところと、そうでないところがあります。Do Re あり。Re Mi あり。Mi Fa なし。同様にSo La あり。La Ti あり。Ti Do なし。DoからSoに手のかたちをかえずに移動させましたが、親指と人差指(半音ふたつ)・人差指と中指(半音ふたつ)・中指と薬指(半音ひとつ)という指どうしの音の間隔もまったく変わりません。FaとSoの間は半音ふたつですので、Do Re Mi Fa So La Ti Doの音階とはつまり「ひとつの同じ手のかたちを半音ふたつあけてならべたもの」と言えます。ピアノの鍵盤のうえに手のかたちを保ったまま2回おけばDo Re Mi Fa So La Ti Doがひける。このことがご理解いただけたと思います。

サークルオブフィフスの5

数字は音の間隔(数字が大きいとひろい)をあらわしていて「5」はDoとSoの間隔になります。サークルオブフィフスは今の自分を基準に次の音階へと移りますがその間隔が5ということは二つのパターンしかありません。

・今の音階のSoが次のDoになるように新しいDoをきめる

・今の音階のDoが次のSoになるように新しいDoをきめる

言葉をかえると

・今の音階の後半4音(So La Ti Do)が次の音階の前半4音(Do Re Mi Fa)になる

・今の音階の前半4音(Do Re Mi Fa)が次の音階の後半4音(So La Ti Do)になる

どちらのパターンもとても簡単。上のパターンは指をかえる必要もありません。いまのSoをDoとして新たにひきはじめればそのまま次にいけます。下のパターンはいまのFaが新たなDoになりますから薬指の位置に親指をおいてそこから新たにひきはじめれば次にいけます。

以上を頭に入れてから譜面をごらんください。

譜面であらわすと

けっしてわかりやすいとは言えない「譜面」というシステムですが、iPad専用だったNotionがNotion Mobileとして無料・iPhone Android PCで使えるマルチプラットフォームになりましたので多少は親しめる環境が整ったと思います。僕と同様に譜面アレルギーのあるかたも言葉で補足していきますのでどうぞご一緒にご覧ください。譜面は素の状態だとなにを書き込んでもピアノの白鍵の音をあらわすということを知っていましたか?なので基本的には臨時記号が付くと黒鍵。最初の譜面はこのスタイルでかいてみました。

みつる式のひきかた

譜面にするとやっぱり複雑ですね。でも中身は単純なので見かけに惑わされずついてきてください。1 小節はすべてDo Re Mi Fa またはSo La Ti Doになっているのがおわかりいただけるでしょうか?つまり1小節が4本指でひく範囲をあらわしています。

1行目。まず1小節目、親指をDoにおいてDo Re Mi Fa 。次に2小節目、So においてSo La Ti Do とひいてください。key=CのSo La Ti Do はkey=GではDo Re Mi Fa になります。4小節目の共通部分。音はそのまま階名だけよみかえて1回くりかえします。指はそのまま使えますね。つづけて5小節目そのままDo Re Mi Fa 。つぎは指をシフトしてSo La Ti Doと6,7小節最後まで進みます。key=GのSo La Ti Do はkey=DではDo Re Mi Fa になります。8小節目の共通部分。音はそのまま階名だけよみかえて1回くりかえします。そのままのDoからスタートすると音が高くなりすぎるので9小節目1オクターブさげてDo Re Mi Fa。 指をシフトしてSo La Ti Doと10,11小節最後まで進みます。DoがA4以上になったら下げてますね。以下同様に進んでいきます。 どこまで進むかですが、key=F#であとからみるkey=Gbと同じ音になってサークルは閉じて終結します。F#/GbはちょうどCから見て6半音でどっちから進んでも等距離にあります。臨時記号は基本黒鍵といいましたが最後のkey=F#では6個(Doは重複)ついています。黒鍵は5個しかないのにヘンですね。これはkey=F#のTiの音E#がFの白鍵になっているため。ここ以外は#は黒鍵のしるしになります。ちょっとためしにひいてみてください。意外と簡単にひけるのではないでしょうか?これがシャープが増えていく方向のサークルオブフィフスの半円です。

なお参考としているkey=C#では7個全部に臨時記号がついちゃってますのでこれ以上はつけようがない本当の限界。ただ音はkey=Dbと同じですから普通はそちらを使います。key=C#をつかう場面はないと思います。

#を調号であらわすと

さて上の譜面を調号を使って表示したのがこちらの譜面になります。

どうですかね。スッキリみやすくはなりましたが…。これだとシャープの位置をkeyごとに覚えていないとひけないことになります。見えていることとやることが違うというのはピアノロールになれたDTMerとしては納得できないところ。全部臨時記号のほうが「ここは黒鍵をひく」とすぐにわかるぶんマシな点もあるように思います。逆に譜面を読み解かなければならないときは調号を見たらDo Re Mi を書き込んでしまうことをおすすめします。メロディが聞こえるようになりますのでわかりやすくなります。

フラットの側も同じことをやっていきます

譜面を見てみてください。

1行目、4小節目key=FのSo La Ti Doと共通するのはkey=Cの前半Do Re Mi Fa の部分。key=CのDo Re Mi Faと同じ音をつかってSo La Ti Doと読みかえます。そして次のDoになる音は読みかえた最後の音Doそのもの。同じ音の連続から次のDo Re Mi Faがはじまります。以下進め方はシャープのときと同じ。前のDo Re Mi Faと同じ音を共通音としてSo La Ti Doと読みかえてくりかえします。そのあとDo Re Mi Fa So La Ti Doと音階をうたっていきます。8小節目のkey=BbのDoのようによみかえたDoがA4をこえて高くなりすぎたら1オクターブ下げるのも同様です。臨時記号のフラットがついているところが黒鍵になるのも同じ。ラストのkey=GbのFa。Cb=B音だけが白鍵。これ以外は黒鍵になります。7音全部にフラットがつくkey=Cb(key=Bと同じ音です)が参考扱いなのもシャープの時と同じです。ゆっくり歌いながらひいてみてください。

調号の楽譜はこちらになります。

スッキリするのはシャープのときと同じですが…。具体的になにをしたらいいのかわかりやすいとは言えないですね。読み解くのにはやはり知識が必要です。楽譜はkey=Cが一番かんたんに書けるようにつくられているため、黒鍵がふえていくほど無理が生じてきます。「調号」という表記のしくみがむずかしいと感じるならそれにとらわれる必要はないと僕は思います。この譜面は練習曲のように「マスター」しなければならないものではありません。シャープもフラットもですが臨時記号のほうの譜面がひけるようになっていればDo Re Miの音階は頭に入っている訳なので実用上は十分。言ってしまえばそれを「どう表記するか」だけの問題だからです。もしおぼえたい・ひきたい曲の楽譜に調号が出てきたら、

1)Do の位置を確認する。Wikiを使ってもいいですしこの記事の譜面をつかってもいいです。

2)メロディにDo Re Mi Fa So La Tiを書き込む。(drmfsltと略号を使うのがおすすめ。)

3)Do Re Mi Fa So La Tiのどれが黒鍵を使って出す音か確認しておく。(臨時記号をつかっている譜面1と3がおすすめ。)

これでメロディがおぼえられる・ひけるようになると思います。

ただしこの譜面は見た目より内容は単純ですから、何回かひくと手がおぼえちゃいそう。「みつる式」ならおなじ指でおなじことのくりかえし。わりと簡単にDo Re Miでひけることが体感できるのではないでしょうか。覚えることが目的ではないですがもし楽しくひいているうちにおぼえてしまったらそれはそれでOKです。

ご不明な点はありますか?

調号に関しては「みつる式」でひくことによってかなり具体的なイメージがつかめたと思います。キーがかわってもメロディは同じ。であればメロディを覚える事に力を注いだほうがいい。みつる式は階名でひくひきかたになりますので、調号の差はかなりの部分気にならなくなるのではないかと思います。覚えるという事に関してはピアノの演奏の場合左手でコードをおさえることになるので、それを覚える方がすぐに使えて実用的。コピーしたい曲のキーで基本となるコードを押さえられるようになっていれば、その曲をひくことができます。key=Cの基本のコードについてはこちらの記事でみつる式でひいています。ご参考まで。

ちょっと先の目標になりますが、それぞれのkeyでのシンプルな和音の押さえ方もテーマにしていきたいですね。なお今回のメロディ。まだ初音さんは歌っていませんが、サンプラーのプログラムチェンジができるように準備して挑戦したいと思っています。それではまた次回をおたのしみに。

<22/11/11追記>

ちょっと納得できないところがあって「実践編」をつくりました。よろしければそちらの記事もどうぞ。

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そのひとなりの楽しみが味わえること以上に大切なことはありません。音楽だってプロではないアマチュアなりの楽しみ方があっていいはず。ピアノだって誰もが演奏家を目指さなくてももっと楽しくひけるはず。このブログも作曲も全ては自分の楽しみのためにやっていることです。でも自分が楽しんでいないことはきっと相手にも伝わらない。僕の見つけたちょっとしたコツや知識がみなさんの楽しみにつながることを心から願っています。

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