耳コピとくらべるとなんとなく作曲の方がレベルが高そうに感じませんか?でも僕は耳コピは作曲と同じくらいたいせつなものと考えます。作曲が「アウトプット」としたら、耳コピは「インプット」。アウトプットするためにはインプットが絶対必要なんです。なぜかというと僕たちには無から有はつくれないから。作品をつくるとき僕たちは無意識になにかを「もと」にしています。だからいいアウトプットができるひととできないひとの差はいいインプットができるひととできないひとの差だと僕は考えています。耳コピは音楽においては目指すべきもうひとつの「山頂」です。「みつる式」を杖がわりにつかいながら少しずつのぼって行きましょう。
この記事で身につくこと
- みつる式の半音の《ひきかた》がわかる
- 耳コピがむずかしく感じる理由がわかる
- Do Re Miで歌えてないということは…
- みつる式が耳コピに役立つ理由がわかる
「みつる式」もうすこしだけ説明 半音のひきかた
前回書ききれなかった半音のひきかたを説明します
こちらの記事でご説明しましたが
階名の場合
#(シャープ) 半音(鍵盤ひとつ)上がる は子音がiにかわります。
b(フラット) 半音(鍵盤ひとつ)下がる は子音がeにかわります。
(Re だけ例外で Raになります)
変化形であることが意識されていますので、変わる前の音を担当する同じ指を使ってそれをちょっとずらしてひけばいいですね。
例えばDi ならもとの音はDo 。親指を使えばOKです。図を参考にして下さい。
耳コピがむずかしい理由
さて聞いた歌のメロディをキーボードで弾こうとするとムズカシイですね。
僕が考える理由は
1.Doの位置がいろいろあって(12種類 )。鍵盤でどこがDo Re Miかを見失う。
2.見失っているから分かったはずのメロディも、もう一度弾こうとすると安定しない。
音楽のプロは全部のキーでDo Re Miを覚えればいいと言うでしょうけれど、12覚えても正解はそのうちのひとつですから効率が悪いです。また覚えないとできないということもありません。その理由はあとで説明します。
「みつる式」もうすこしだけ説明 フォームはひとつ
ホームポジションに4本の指を置いたとき指どうしの間隔は
親指 と 人差指のあいだが 半音ふたつ
人差指 と 中指のあいだが 半音ふたつ
中指 と 薬指 のあいだが 半音
これは親指Do のときもSoのときもどちらのホームポジションでもかわりません。
なのでDo Re Mi には音のならび(フォーム)はこの1種類しかありません。
ふたつのホームポジションの間隔はFa と Soの間隔ですから半音ふたつ
つまり1パターンの4音のかたまりが半音ふたつあけてふたつならんでいるのがDo Re Mi。
Do Re Mi Faとひいて半音ふたつあけてSo La Ti Doとひく
ペタ・ペタと2回。同じフォームを張り付ける感じ。
まずはC4から始めて白鍵だけを使ってやってみてください。
さてフォームはひとつしかありません。
ということは、12のキーで合計24回ペタペタすればすべてのDo Re Miがひけることになります。
C C#/Db D D#/Eb E F F#/Gb G G#/Ab A A#/Bb B
12音どこからでも始められます。
そしてどこからはじめても
Do Re Mi Fa半音ふたつあけてSo La Ti Doこの8音しかありません。
お手元の鍵盤でいろいろ体験してみてください。親指をDoの位置に置くだけで、意外とどのキーでもひけることがわかるとおもいます。
どの高さでもDo Re Miが簡単にひけるとしたら耳コピしたい曲にあうDo Re Miが見つけやすくなるとおもいませんか?
自分の中にあるメロディ
ないものはひくこともうたうこともできません。暗譜は絶対に必要です。逆に譜面を見ながら初見で(あたまの中にないものを)うたう・ひくというのは必須の技術ではありません。
もし譜面しか情報がなかったら時間をかけてDo Re Miに直し、リズムも譜面から読み取ってまずは曲として自分の中で再生できるようにすることです。譜面にdrmfsltを走り書きするというプロのかたの話を聞きました。効率的なうまい方法だと思います。
楽器でひくにしても歌うにしても自分のなかにあるDo Re Miのメロディに耳を澄ましましょう。耳コピできないのはまだDo Re Mi になっていないから。ひきながら歌いながら聞き取ったメロディを覚えましょう。一度覚えたDo Re Miは「みつる式」なら安定してひけるはずです。安定してひくことで動作の記憶も加わるので記憶はさらに定着します。
耳コピはメロディを聞き取って書き出すことではありません。聞き取ったメロディをDo Re Miで覚えることです。すでに良く知っているメロディをDo Re Miで覚える事。暗譜する事が音感を良くします。