一つはSunoの使いこなしについて音楽プロデューサー・プログラマーのかたの動画。ChatGPTの有料プランをお使いのかたにむけたSuno専用歌詞ビルダーも提供されています。もう一つはプロ作曲家のSunoをどう考えればいいか?の動画。産業革命の延長でAI作曲を解説した内容が音楽にとどまらず現在の状況の理解にとても役立ちます。
この記事でわかること
- Sunoの使いこなし動画
- AIで仕事はなくなるか?の動画
動画はこちらになります
動画その1
基本的には前回の記事の最後でご紹介した方法ですが、GPTを使ってそのフォーマットで歌詞を生成できるようにしてくださっています。
動画その2
考察動画になります。作曲家なのにしゃべりだけなのは珍しいですが聞きごたえがあります。おっしゃっている通りジャッジするのに時間がかかるのがグラフィックアートと音楽の大きく違う点ですね。ジャッジする負担は結局リスナーではなく作曲家が負うのだからたとえジャッジが中心でも作曲家の仕事はなくならないというのはおっしゃる通りだと思います。そんなこと誰もやりたくありません。無名の人が作った楽曲は聞いてすらもらえないというのにはそういう理由があると思います。
僕個人の考え
AI作曲への対応については以前記事にしました。
AIのつくる音楽の弱点についてAIのChatGPTに聞いてみました
結論的には人間にしかできないこと、と機械でもできることの協業で音楽をつくればよいというGPTの回答になっています。僕も全く同じ考えです。人間にしかできないことは残り続けると思いますので。
プロ作曲家の仕事については
1)クオリティがあがる
2)時間の節約になる
この2点が実現された段階で使わない人はいなくなると思います。現状でもDAWを使って作曲しないプロ作曲家のかたは少数派だと思うのでその延長線上にある話だと思います。
DAWにAI生成機能が標準搭載される
作曲家が効率よくAI生成を使えるようになるためにはAI生成がDAWに統合される必要があります。その機能を持っていないDAWはいずれは淘汰されると思うので、メーカーは生き残りをかけてAI生成を機能に追加してくると思います。グラフィックアプリのアドビが画像生成AIを製品に搭載していますがこれと同じことがDAWにも起きるでしょう。現状はAIマスタリングがFLやLogicに搭載されていますがこれに続く流れですね。
一般ユーザーは
一方で作曲には興味がなくただ音楽を必要としているだけの人はSunoを使うでしょう。出力のクオリティが上がるにしたがって
1)自作の歌詞を歌にしたオリジナル曲
2)動画のBGM
3)店名・商品名を連呼するだけのCMソング
4)環境音楽的なBGM
使う人・クライアントがOKを出せばOKなものからどんどんAI生成に置き換わっていきますね。これは画像生成AIがイラストを担当するようになっているのと同じです。動画制作者が「作曲」するケースが当たり前になる未来も見えています。
現状必要なこと
今はSunoの出力をAudio-MIDI変換するしかありません。変換ツールの精度は万全ではないし、MIDIでは再現のむずかしい楽器演奏もあるので(特にギターなど)、プロならあきらかに耳コピのほうが早い部分もありますね。
Audio-MIDI変換についてはこちらの記事が参考になります。
AIで作曲して演奏・歌唱してくれる「Suno」、MIDIで吐いてくれPleaseとお嘆きの方に。無料のもあるよ(CloseBox)
いまはSunoのアウトプットを耳コピして作曲の材料にするような使い方になると思います。Sunoがトラック毎にわけてAudioとMIDIの両方で出力してくれるようになれば、ギターなどはAudioのまま使うという選択ができるようになりますが、Sunoがプロデューサー・作曲家向けのサービスを目指しているのか、完パケを求めている一般のひと向けのサービスを目指しているのか?で今後が大きく変わってくるところだと思います。作曲家向けにはDAWメーカーが当然参入してくると思いますし。
プロデューサーこそが求められる
プロデューサーの仕事こそなくならないのではないでしょうか?阿久悠さんがおっしゃっているような「どんな曲をだれに向けていつリリースするか」を決定するのがプロデューサーですが、これこそAIにはできない仕事です。売れる曲かどうか判断するのがもともとプロデューサーの仕事。AIが作ったか人間が作ったかは問われません。僕たちはなぜか最初から作曲家ではなくボカロPだったわけですが()、16年たってこのことに新たな意味が与えられようとしているように感じます。
いかがだったでしょうか?
2024年は大きな動きがいくつもありそうです。楽しみですね。それではまた次回のブログでお目にかかりましょう。