おまたせしました!前回記事の譜面を動画化しました。動画にすると視覚的には譜面と図の両方の情報がひとつになりますね。そこに音が加わりますのでさらにわかりやすくなるのではないでしょうか。より理解を深めるために「みつる式」で指をうごかしてみましょう。もちろん音のでるキーボードを使って動画といっしょにひいてみるのがベスト。ずっと同じことをくりかえしていくこの曲ですが実際にひいていただけると「なにをしているか」が《体感》できると思います。
この記事でわかること
・点ではなく帯を重なりにしてみると
・「調号」にもひみつはなくなった
・「音楽的に正しい」が確認できる
・ノーションモバイルとシンセシアは超優秀
・リズムの表現について考えてみよう
動画はこちらになります
さっそくですがご覧ください。上方向(右回転)と下方向(左回転)です。
まずは今の音階のSoがDoに置き換わるパターン。So Ra Ti DoをDo Re Mi Fa とよみかえて次の音階(調)に進みます。
次は今の音階のDoがSoに置き換わるパターン。Do Re Mi Fa をSo Ra Ti Doをとよみかえて次の音階(調)に進みます。
1音だけでなく4音の音列を共有
点ではなく細長い帯でつながっていくイメージですが、点だとどちらの方向に進んでいるか見失いやすい。僕自身サークルオブフィフスを鍵盤上で追いかけているときに「いきつもどりつ」みたいな状態になって「5度サークルに閉じ込められる」という経験を何度もしました。そうしたことがないように今回は「おなじ音列に着目し「それが5進んでいる」というイメージでメロディを書きました。音階のなかで2回繰り返される音列をおなじ指でひくのが「みつる式」です。そのおなじ指でひいているところを次の音列の階名に「よみかえる」ことで着実に次の音階(調)に進むことができます。くわしくは前々回・前回の記事をご参照ください。
音の現象が先
僕は「みつる式」でひいていたため、たまたま4音がDo Re Mi Fa とSo La Ti Do のどちらにもなれるということに気付きましたが、これはたぶん何千万回目かの「再発見」。
12平均律において長音階は同じ音列の2回の繰り返しでできている。したがって右に音階内の繰り返しと同じ間隔(半音2個分)で同じ音列をつければ新たな音階をつくることができる。1オクタープが12分割されているので12回繰り返すともとに戻る。左も同様。
この「物理現象」が先ですね。そして誰しもが気付いていた。だから5度サークルということばがあるしいろいろ調号で説明がこころみられている。そういうことなんじゃないでしょうか。本質はこの「音の物理現象が先にある」ですね。
調号にも秘密はなくなった
メロディにDo Re Miをつけたときと同様に12音にもkeyをあらわすアルファベットをふっていけば相対的な関係がどうなっているかについては明らか。調号は譜面に書くときのたんなる約束事と理解できます。使うのに慣れは必要ですがそれだけのこと。すくなくとも理由のない恐怖心のようなものは払拭できたのではないでしょうか。世界の果てはF#/Gbには存在しませんでした。僕達はまたひとつ「わけのわからない」を克服できたと思います。これから「転調」の話をするときも身構える必要はありません。行先は今回の動画ですでに「見たことのある」場所だからです。この曲が音にしているサークル・オブ・フィフスのしくみ自体はタネのある手品のようなもの。なにも知らないひとがみたら不思議と驚きを感じると思います。中学生男子のみなさんはぜひ動画の曲を覚えて女子の前で披露してみてください。きっとモテると思います。女子は「わかっている」男子に好意を持ちますから。
音楽的な正しさをアプリでチェック
今回は記譜にNotion Mobile 動画にSynthesiaを使いました。これらの優秀なアプリがなければ到底これだけの動画はつくれません。臨時記号の譜面から調号の譜面へはNotionで調号記号を挿入しただけ。Synthesiaで階名を表示させるにはNotionで書きだしたファイルを読ませるだけです。すべての音楽の約束事がきちんと結果に反映されて「表示」される。音楽的な正しさをアプリでチェックしているともいえます。特にNotionは無料なので初心者にもトライしやすいツール。おすすめです。
今後の課題(リズムの表現)
メロディ・ハーモニー・リズムが音楽の3要素と言われますが、メロディについては今回一応の理解に達することができたのではないかと思います。ハーモニーはコードについて本ブログでもすこし学びはじめました。いまのところ手つかずなのがリズム。Notionの楽譜をつかってDAWのドラムパッドやピアノロールのように表記するアイディアをあたためています。その方法ですこしずつ解説していけたらと思っています。それではまたお目にかかりましょう。