前回の記事たくさんのかたに読んでいただいてありがとうございます。お礼にと思いいつものようにDo Re Miで歌ってもらおうと楽譜を音にしようとしていたのですが何かしっくりこない。理由がなかなかわからなかったのですがハタと気付きました。この楽譜途中で終わってる。そうなんです「サークル」と言いながら閉じていないんです。考えてみれば臨時記号が全部の音符につくとかつかないとかは記譜上の話。12音を並び替えているだけのことに「限界」なんてあるはずないんです。こんなふうに楽譜がおわっているのはまるでF#/Dbのところになにかたいへんなことがあるみたい。それでわかりました。自分も中世の船乗りのようにありもしない世界の果て・海の流れ落ちる大滝を見ていたのだと。あれだけ楽譜をDisっておきながらですね(笑)。これはこのブログの読者のみなさんにもよくないこと。平均律の世界でCとF#/Dbになんら差があるはずもないからです。そこで考えました。本当に閉じているか一周してみましょう。もし「みつる式」でもどってこれたら僕たちはマゼラン艦隊になれるはずです。
<22/11/13追記>動画できました。記事の終わりにリンク追加しました。
<22/11/18追記>鍵盤図をDo Re Mi Fa So La Ti Doの音階が全部入ったものに更新しました。
この記事でわかること
・サークルオブフィフスは本当にサークルか
・同じやり方をつづけてみるupward
・同じやり方をつづけてみるdownward
・楽譜を何度かひいた結果思いついたこと
・Do Re Mi Fa またはSo La Ti Doのパターン(12パターン)で説明
誤解されるといけないので
「みつる式」は音感をよくする鍵盤の「ひきかた」でトレーニング方法ではありません。でもサークルオブフィフスをひいていくのは音階をDo Re Mi でひいてゆく「みつる式の」本領が発揮できるところ。というのは調がかわってもメロディは一緒だからです。いちおう進行感がでるように工夫して曲をつくりました。それが前回記事の曲。今回はそれを一周させました。 サークルオブフィフスとみつる式についてくわしくはよろしければ前回のこちらをご覧ください。今回はいわば実践編です。
途中でやめてはいけない1シャープ方向
それでは早速いきましょう。途中でやめることによってそこになにかがあるような感じになるんですね。だから「何もない」ところでとまったり速度を落としたりしてはいけない。高速道路の渋滞と同じ。止まらずいきましょう。次の楽譜をどうぞ。シャープ方向でスタートした臨時記号の譜面です。臨時記号のあるところが基本黒鍵ですのでわかりやすい。今の音階のSoが新しい音階のDoになります。前の音階のSo La Ti Doの音をDo Re Mi Faとよみかえてから音階Do Re Mi を歌っていきます。
のばしたDoの後の時間で準備をしてください。のばしたあと前の音階のSo La Ti Doの音を次の音階ではDo Re Mi Fa と読みかえます。F#までは前回と同じ。前回参考としていたkey=C#は削除してそこからkey=Dbとしています。28小節目DbキーがDo Re Mi Fa と読み替えているF#のSo La Ti Do ですがもちろん同じ音。臨時記号の数があっていませんがF#のTiであるE#音が実際にはFで黒鍵ではないためです。
Dbからは臨時記号がbになっていますが同じやり方でうまくつながっていきますね。 Do Re Mi Fa とSo La Ti Doしかでてこない譜面ですから「みつる式」にぴったり。F#/Gbあたりには…。とくになにもないですね(笑)。
同じくシャープ方向でスタートしたもの。調号を使って表示しました。音はまったく同じです。
途中でやめてはいけない2フラット方向
それでは次は逆まわり。フラットがつく方向にスタートします。今の音階のDoが新しい音階のSoになります。前の音階のDo Re Mi Fa の音をSo La Ti Doとよみかえてから音階Do Re Mi を歌っていきます。こちらの楽譜は手元にキーボードをおいて演奏しながらのほうが分かりやすいと思います。さっきDo Re Mi Faと音階をひきはじめたところ。同じ音をSo La Ti Doとうたうとすぐ次の音階のはじまりのDoが準備できます。
25小節目GbのDo Re Mi Fa。Fa の音はCbで実際はB音。なので28小節目臨時記号のついていないkey=BのDoと一致しています。うまくつながりましたね! 同じやり方を続けることでなにごともなくkey=Cにもどってくることができました。調号で記譜するとつぎのようになります。
もどりは意外と楽に感じませんでしたか?すでにキーボード上の音階を「形」でおぼえつつあるからではないでしょうか。Do Re Mi Fa またはSo La Ti Doを構成する4音は12パターンしかありません。(両方はまったく同じ音の配列ですし、音は12音しかないわけですから当然ですね。)この12パターンをつなげていくわけですが、上方向も下方向も パターンどうしの距離は半音ふたつ。白黒とわず鍵盤2個進んだ先の鍵盤の位置でつながります。このようにパターンをつなげていけば一周できるんですね。
パターンをつなげてみよう
そうやってつくったのが上の曲ですが、楽譜が苦手なかたのために鍵盤の絵でも説明したいと思います。内容はまったくいっしょ。画像の鍵盤。赤のマークがDo Re Mi Fa 青のマークがSo La Ti Doですが音は同じ。同じ配列がどっちにも読めます。音階の前半にくるか後半にくるかのちがいだけ。音の配列が音階の前半にくればDo Re Mi Fa後半にくればSo La Ti Doになります。はじまりはやっばりこのパターン 。高い方につなげてみましょう。下の段のSo La Ti Doはあとでつながってくるところなのでいまは見てみないふりで(笑)。右(上)につながっていくときは中央列の音階と上の段So La Ti Doが変化したDo Re Mi Fa だけを見てください。まずは中央列のDo Re Mi Fa So La Ti Doからスタートしましょう。
上の段を見てください。いまの音階のSo La Ti Doと同じ音が次のDo Re Mi Faになっていますね。ここにつながるのは次のパターンになります。
こんなふうにSo La Ti DoがDo Re Mi Fa にかわって高いほうへとつながっていきます。Do の音が高くなりすぎたと思ったらDoをひとつ下のDoにしてそこからDo Re Mi Fa So La Ti Doとひいてみてください。調整はおまかせします。
So La Ti DoがDo Re Mi Fa にかわってどんどん高いほうへとつながっていきます。このまま先にすすんでいきましょう。音階がどんどん右にのびていっているのがわかると思います。これがサークルオブフィフスの右回転の方向です。音がSoからDoに高いほうにかわっていく感じなので「上方向」って言ってよいと思います。
はい!戻ってきました。調号だけでなくもはやkeyすらも関係ないですね。もちろんDoの音はわかっているのでそこがルート音(=keyの名前)ですがひたすらパズルを楽しんでいるうちにかえってこれたと思います。この色をつけたパターンはひいているうちに手がおぼえちゃうと思います。手をのせたときにしだいに自然にゆびがDo Re Mi Fa の上にのるようになってきていませんか?
次はさがっていくパターンです
こんどは左(下)につながっていきます。図は中央列の音階と下の段So La Ti Doが変化したDo Re Mi Fa だけを見てください。
自分がSo La Ti Doになって、左側の低いほうにつながる相手をさがしていきます。SoのとなりなのでFaが半音ふたつとなりにきてくれればつながれます。そういうカードをさがしましょう。でもDoの位置は…。 よみかえた段階で正解がでちゃってますね(笑)。スタートのこの場合だとFがDoになります。F G A BbでDo Re Mi Fa 。BbはCから半音ふたつ下。オッケーです。つまりわざわざFaをさがそうとなやまくてだいじょうぶ。なにも考えずにDoからひきはじめちゃってください。Do Re Mi Faまでひけば自然にいまのSo La Ti Doにつながります。あ、Doが高くなりすぎのときはひとつ下のDoからはじめてください。それでうまくいきます。Do Re Mi Fa So La Ti Doと続けてひいたほうが音階らしく聞こえますから2回めのSo La Ti Doをくりかえして音階の完成です。
おつかれさまでした!だんだんパターンの形に親しみがわいてきたのではないでしょうか。12個しかないものを2度ずつくりかえしみることになりますので、すこしづつ雰囲気がつかめてきたのではないかと思います。シャープとかフラットとか調号とかにとらわれなければ音階はシンプルに音がつらなっているだけのもの。心理的なブロックは取り払ってしまいましょう。
12のパターン
右にくっつけるパターンと左にくっつけるパターンの2回12のパターンを見てきました。いかがでしたか?まったく同じものがDo Re Mi Fa にもSo La Ti Doにもなるというのがみそ。「みつる式」はこの両方ともかならず右手の親指・人差指・中指・薬指の4本でひいています。だからとてもシンプル。どの高さの音階もこの組み合わせしかないとしたらどんな高さのどんな曲でも簡単にひけそうな気がしませんか?今回の譜面。また初音さんにDo Re Miで歌ってもらって音をつくります。できたらぜひ聞いてみてください。このブログにのせますのでおたのしみに。それではまたお目にかかりましょう。
< 22/11/13追記> 動画できました!
こちらの記事になります。よろしければご参照ください。