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ピアノだと『タッチタイピング』でスラスラひけない5つの理由

パソコンは画面だけを見て作業をするのは「あたりまえ」ですがピアノの「ブラインドタッチ」の場合それができるのは子供のころから長期間に渡りピアノ演奏の訓練をしたひとだけだと言われています。ですが本当でしょうか?キーの数でみてもパソコンの40以上に対しピアノは12しかありません。パソコンのキーボードよりずっとかんたんに手元を見ないでスラスラひけるようになるはずですよね。それができないのは何か理由があるはず。この記事ではピアノの(パソコン的な意味での)ブラインドタッチを可能にした「みつる式タッチタイピングピアノ」のひきかたについて解説します。この方法ならあなたもピアノが(パソコン的な意味で)手元を見ずにスラスラひけるようになります。もしピアノの鍵盤がパソコンのキーボードだったとしてひけない理由をひとつずつ説明していきます。5つの理由がわかったらあなたはピアノがひけるようになっています。

この記事でわかること

  • ピアノの鍵盤はPCならどんなキーボードか?
  • ひけるようにならない5つの理由
  • ひとつひとつ条件を定めていきましょう
  • みつる式ならひけるようになります(パソコン的な意味で)

ピアノの鍵盤をPCのキーボードにたとえると

パソコンの「タッチタイピング」がピアノの鍵盤でできない理由は鍵盤をみればわかります。ピアノの鍵盤をPCのキーボードにたとえるとどんなキーボードになるでしょうか?

1)どこを押しているのかがわかりません

まずキートップにある刻印が鍵盤にはありません。このためどこを押しているのかがわかりません。

2)何の文字がでるのかわかりません

それと同時に何の文字がでるのかわかりません。これだけでかなりアウトな感じです。

3)文章によって毎回キーをおす指はちがっています

ピアノの場合は曲によってつかう指は毎回ちがいます。PCのキーボードを文章ごとに毎回違う指で押すところを想像してみてください。

4)指をひろげてもキーにとどきません

ピアノの鍵盤は横に長くなっています。PCのキーボードのようにちょっと指を広げて届かせるというわけにはいきません。

5)ホームポジションがありません。ブラインドタッチができません。

PCのキーボードには触るとわかるちょこっとしたでっぱりの目印があります。FとJの位置でこれがキーボードの「ホームポジション」の目印。目をつぶっていてもPCならキーの位置はわかりますよね。だから「ブラインドタッチ」が可能です。でも鍵盤にはありません。真ん中に「ド」はありますが目をつぶってしまったら指がどこのキーにあるかはわからなくなります。

スラスラひける状態とは?

PCのキーボードを「タッチタイピング」で打っているときのことをイメージしてほしいのですが、スラスラ打てていますよね。頭のなかに打ちたい文字を思い浮かべたら特に何も考えずほとんど無意識に指がうごいているはずです。でもピアノだってこうできるはず。そのためにどうしたらいいか?というのがここからのお話になります。

おことわり(右手メロディ限定です)

今回のお話は右手・メロディ限定とさせていただきます。左手をどうスラスラひくか?というのは「伴奏」の話になってくるので右手とはまた違う考え方が必要になってきます。左手でおさえるコードについては別にこのブログで研究中です。

ピアノコードひいてみよう│みつるの音感がよくなるブログ (4fingermusic.com)

欠けているピースを補完しましょう

PCのキーボードと同じ状態がつくれれば「タッチタイピング」ができるようになるはずです。そのためには欠けているものを順番に鍵盤にプラスしていけばよいことになります。

1)どこを押しているのかがわかりませんを解決しよう!

さていよいよ解決編です。

キートップになるものは?

どの曲にも必ずあるものはなんでしょう?それはDo Re Miです。階名といいます。Aがないタイプライターがないのと同じでDoがない曲はありません。このブログでは半音もふくめて12音(17種類)の音があらわせて歌える英米式の階名を採用しています。半音上は子音がi 半音下は子音がeという簡単なルール(Reフラットだけ例外でRaになります)。したがって鍵盤の上に書き込まれるのは Do Di/Ra Re Ri/Me Mi Fa Fi/Se So Si/Le La Li/Te Ti となります。これまで黒鍵をなんとよぶか知らなかったかたもいらっしゃるかとおもいますが、こんなふうに名前をつけて呼ぶことでひいたり歌ったりができるようになります。

キートップは12パターン

d r m f s l t (先ほどのDo Re Mi Fa So La Tiの略記です)は鍵盤のどこからでもはじめることができます。dが鍵盤のどこからはじまるかで曲のkeyがかわります。dがCならkey=C。keyは全部で12種類。鍵盤の順にC Db D Eb E F F#/Gb G Ab A Bb Bです。私たちのひく曲はこのいずれかにあてはまっています。自分の今ひいている曲のd l mさえ分かっていればOKです。曲の途中でかわる場合(転調といいます)もありますがかわったところから新しいd l mでひいていけば問題ありません。大切なことですが最初から12全部おぼえないとスラスラひけないとは考えないでください。ひく曲のd l mさえ知っていればその曲はスラスラひけるからです。

2)何の文字がでるのかわかりませんを解決しよう!

以上で1)どこを押しているのかがわかりません。が解決しました。同時に2)何の文字がでるのかわかりませんも解決しましたね。どのkeyのd r m f s l tをひいているのかがわかるようになりました。

3)文章によって毎回キーをおす指はちがっていますを解決しよう!

これはPCであればあり得ない話。実用にはなりません。そこで逆にピアノでも決めてしまってはどうか?というのが僕の提案です。ピアノのひきかたとしてはたしかにスムースでない部分もありますが(パソコン的な意味で)スラスラひけるようになってから次のステップで対策すればよいことだと思います。ピアノのブラインドタッチとはやり方が違いますので(パソコン的な意味での)ブラインドタッチと断っているのはそのためです。

使う指を決めます

キートップは階名でした。d r m f s l t d。これを右手の4本の指でひきます。小指は使いません。8音ですので2回手を置けばひけます。親指をd にのせて人差指でr 中指でm 薬指でf 。指をかえて再び親指を sにおきます。人差指でl 中指でt 薬指でd 。以上で音階がひけました。key=CのときはCからはじめてとなりの鍵盤に自然に指をのせればひけますが、その他のkeyでも使う指はすべて同じです。指をきめましたのでd または sと聞くと自然に親指が動くようになります。ほかも同様。これでタッチタイピングの準備が整いました。

以上で3)文章によって毎回キーをおす指はちがっていますは解決しました。

4)指をひろげてもキーにとどきませんを解決しよう!

d r m fで1回 s l t d でもう1回4本の指をつかいました。この方法だと音階をひくときに指を広げる必要はありません。d とsは繰り返し鍵盤上に現れますので、そのたびに右手全体をシフトして該当する場所にのせるようにすればOKです。

これで指をひろげてもキーにとどきませんは解決しました。

5)ホームポジションがありません。ブラインドタッチができません。を解決しよう!

PCの場合はホームポジションは1か所でした。だだしホームポジションをゆびが移動する出発地点と柔軟に考えるならピアノにおいてはdから始まる4本指の場所とsから始まる4本指の場所をホームポジションと呼ぶことができます。1か所ではなく繰り返し鍵盤上にあらわれること、そしてkeyによって位置をかえることがPCのキーボードとの違いです。しかし、そのやくわりはPCのキーボードの場合とまったく変わりません。「階名を聞けば自動的に指が動く」が実現できているからです。これで「タッチタイピング」ができるようになりました。以上で5)ホームポジションがありません。ブラインドタッチができません。は解決しました。

ホームポジションのみつけかた

ここまででd r m f とs l t d の音階がホームポジションとなっていることがわかっていただけたと思います。この両者は音の配列としても全く共通です。mとf tとdの間が半音ひとつ。そのほかはすべて半音ふたつとなっています(fとsの間も半音ふたつ)。したがって中指と薬指の間には隙間がない(間に入ってくる音がない)ことさえおぼえていれば音階を見失うことはありません。これがみつけかたのコツになります。付録として全12keyの音階の鍵盤図を記事の最後につけます。mfとtdの間はいつも隙間なくくっついていることをご確認ください。

いかがだったでしょうか?

たしかにPCのキーボードの「タッチタイピング」および「ホームポジション」のコンセプトはピアノの鍵盤とはかけはなれたものに違いありません。ピアノに適用するにあたっては音楽的に『翻訳』する必要がありました。しかしそのひと手間でピアノでも「タッチタイピング」が可能になることがお分かりいただけたと思います。ピアノにもホームポジション・ブラインドタッチがあることは存じていますが、ここで言う「ホームポジション」はそれではありません。イメージしているのはパソコンのキーボードでタッチタイピング(ブラインドタッチ)を習得する時におぼえる「指をいつも置く場所」のことです。4本の指をいつも同じ形をたもって「置く」ことによって音階をかんたんに見出すことができる。これがピアノにも(パソコン的な意味での)ホームポジションを導入すべき理由です。

付録

赤丸・青丸が親指を置く場所になります。 

key=C
key=G
key=D
key=A
key=E
key=B
key=F#/Gb
key=Db
key=Ab
key=Eb
key=Bb
key=F

<24/2/27追記>

実際の演奏についてはこちらの記事をごらんください

エッセンシャルな音階から応用できること

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