指・鍵盤・音名・音の四つをリンクさせていっぺんに覚えるのが、ぼくの「タッチタイピングピアノ」のやりかたです。ぼくにはこの方法でしか「音感」を身に付けられませんでした。そんな自分の経験がありますので、今現在、音感を育てていらっしゃる初心者の方には、もしかしたら効果があるかも…とおもいます。もちろん面倒であればおすすめしませんが、原理は超かんたんで一瞬で覚えたらあとはひたすら繰り返すだけですので、興味のある方は、ぜひトライしてみて下さい。
今回は表題のとおり、ピアノの弾き方の説明を兼ねて、「ギターの2弦のマーカーの音と音名を、ピアノの鍵盤上でおぼえる」というのをやってみたいと思います。曲のメロディも全く同じ方法で覚えることができますが、今回は、題材に「ギターの2弦のマーカーの音をおぼえる曲」を、鍵盤で奏でてみたいと思います。理由は、黒鍵の音が二つも入っていて「攻略」がひつようだから。よろしければ、お付き合いください。
今回ひく曲は
レ・ミ・ファ・フィ・ソ・レ・ラ・ティ・ド
です。
まず音を聞いてみて下さい。
カタカナだと、レが二回出てきちゃって変なのですが、これは日本語の限界。あとで、くわしく説明します。
譜面はこんな感じです。
まず、譜面ではカッコがないのがギターのフレットのマーカーのところの音(カッコがついているのマーカーじゃないところ、補助として鳴らしている音)になります。
アルファベットでのドレミの表し方
カタカナではなく、ドレミはアルファベットをつかって表します。
カタカナのドレミは、アルファベットをつかうと、
Do・Re・Mi・Fa・So・La・Ti・Doになります。
だいたい日本語と同じですが、ちがうのは、カタカナの「レ」が「ウェ」(舌をひっこめて喉奥で出す感じ)、カタカナの「シ」が「ティ」になるところです。違うのはそこだけなので、これは、そういうものとして覚えちゃってください。人口で考えると世界の約80分の1ぐらいの私たちが、独自規格を作っても、あまり意味はないと思うからです。有効なことが実証されている国際規格を使うべきだと思います。
それで、譜面にでてくる、
Fi(フィ)というのはFa(ファ)のシャープ(半音上の黒鍵)
Le(レ)はLa(ラ)のフラット(半音下の黒鍵) です。
こんな風に、語尾をiにするとシャープ、eにするとフラットが表せるので、この方法はシンプルなのです。
ちょっと、余談ですが、私たちは、名前を知らないものは覚えられません。ギターのマーカーの音が覚えられないのは、マーカーのあらわす音の名前を知らないから、の可能性が高いです。これはフレットが覚えられない理由にもつながってきます。ギターは全部の音を平等に扱っているので、呼び名がわからない音がフレット上にいっぱいあるからです。(ピアノはこの点、ちょっとズルをして、一部の音について見て見ぬふりをしてもいいように鍵盤がデザインされていますが、それが黒鍵というわけなのです。)
鍵盤で音の名前を見てみよう
さて、以上のことをまとめると、名前はこんな風になります、一音階の中の音は全部で12種類です。ぜんぶ書き出してみますね。
Do・Di/Ra・Re・Ri/Me・Mi・Fa・Fi/Se・So・Si/Le・La・Li/Te・Ti・Do
ピアノだと色分けされててわかりやすいですが、Do・Re・Mi・Fa・So・La ・Ti の7つが白鍵
Di/Ra・Ri/Me・Fi/Se・Si/Le・Li/Te の5つが黒鍵になります。(つぎの鍵盤画像を見てみて下さい)
で、もうちょっとなれてきたので、
Do・Re・Mi・Fa・So・La ・Ti については、
d・r・m・f・s・l・t と小文字で省略表記してあります。
Di/Ra・Ri/Me・Fi/Se・Si/Le・Li/Teについては、
シャープした方を下段、フラットした方を上段にしてあります。
下段シャープの方は横に見てわかるとおり、語尾がすべて「i」できれいにそろっていますね。
同じように
フラットのほうも、語尾が「e」でそろっている、と言いたいところなのですが、Reのフラットだけ「Ra」になっていることがわかります。これはReが最初から語尾が「e」だったためですので、しかたのない例外です。これ以外はすべてフラットも語尾が「e」でそろっています。
鍵盤でドレミをひいてみる
さて、これらの音を具体的に指をつかってどう弾くか?ですが、使う指はぼくの場合こんな風に決めています。理由は、「パソコンのタイピングと同じで、同じ音に同じ指を使わないとミスタッチするから」、です。
親指を置く場所は、次の図で示した通りになります。丸のついたところに、親指を置き、そのまま隣の鍵盤にすきまなく次の指をのせていけばOKです、めっちゃ簡単じゃありませんか?
それでは、やってみましょう。
1.赤い丸に親指をのせてdrmf(ドレミファ)とひいてください
2.親指を次の青い丸に動かしてのせます
3.sltd(ソラティド)とひいてください
これで、drmfsltd(ドレミファソラティド)の音階がひけました。
メロディの弾き方で覚えることはもうなにもありません。あとはこれを一生続けるだけ。鍵盤になれればなれるほど、音と指の感覚と音の名前、この全てが頭の中で結びついてきます。
で、どうなるか?というと、指が自動でうごくようになります。そうなると、みなさんは、drm(ドレミ)がわかりさえすれば、好きな曲がひける状態になっています。
その状態でいろいろな曲をひいていると、今度は、ドレミの相対的な音の感覚が身についてきます。いわゆる音感ですね。で、どうなるか?というと、曲を聞けば、だいたいすぐに鍵盤でなぞることができるようになります。
さらにこの状態を続けるうちに、曲を聞けばだいたいドレミでわかるようになります。最後は、「歌や楽器のメロディ」がドレミで聞こえてくる、という状態になるかもしれません。これってちょっとすごい、憧れの状態じゃないですか?
ぼくは、現在、鍵盤でなぞれる状態、音を聞いてドレミがわかるくらいの状態ですが、そうなったのはこのブログを始めてから、音の名前を覚えてからですから、比較的最近の話です。つまり、音感を身に付けるのは、こどものころにはじめなくても、これからでも大丈夫です。
譜面を読むのはたいへんという方には、ぼくがかんたんなピアノえほんの曲をひいている、ドレミのわかる動画がありますので、それをみながらやってみてください。
ギター2弦のマークをおぼえる曲
さて、宣伝はこのくらいにして、「ギター2弦のマークをおぼえる曲」にもどりましょう
2弦のマークはr・m・Fi・Leにあります。それを覚える為にこの曲では、
r・m・f・Fi・s・Le・l・t・dとメロディをひいています。音を追加している理由は、いきなり黒鍵の音では、音が取れないから、そして、音階を感じ取るためには音階をなぞってd(ド)に戻る必要があるからです。もう一度音を聞いて、今度はひいてみましょう。
ここまで説明していませんでしたが、シャープやフラットして元の音から半音上がったり下がったりしている音は、もとの指と同じ指で弾きます。それでは具体的にやってみましょう。
1 r 人差し指
2 m 中指
3 f 薬指
4 Fi 薬指
5 s 親指(手全体のポジションを変更)
6 Le 人差し指
7 l 人差し指
8 t 中指
9 d 薬指
上手くひけましたか?繰り返すことで、FiとLeの音をおぼえることができます。ギターのマークにはほとんどの黒鍵の音が出てきますので、ギターのマークの音をおぼえることで、黒鍵の音もマスターすることが出来ます。記事末にそちらのリンクも貼っておきます。
おつかれさまでした
このひきかたが初めてだった方もいらっしゃると思いますが、いかがだったでしょうか。私たちはメロディーを覚え、音感を良くするために指とピアノを使っているだけです。なのでピアニストとはそもそもの目的が違います。ピアニストには自らの演奏で音を美しく響かせ滑らかにリズムに乗せる使命があります。しかし、そのような義務からは自由な私たちは、私たちの目的に最も合った方法でピアノを楽しむことが出来る。お伝えしたかったのはそのことです。それでは、機会がありましたらまた次の記事でお目にかかりましょう。
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