たまたまですがYouTubeを拝見したらピアノの先生が音感をみにつけたきっかけを話されていました。3才くらいのときにピアノをひけない母親がおもちゃのピアノを一本指でならしながらたくさん童謡をうたってくれたとのこと。それで興味をもってピアノを習いたいと思ったのがはじまりとのお話でした。心あたたまるエピソードですね。僕はミクさんを使っていますが音と友達になるというコンセプトはこのブログも全く同じ。そして先生のおもちゃのピアノとおなじように「すてきなピアノえほんDX」も音感をみにつけるためによい働きをしてくれます。本記事で題材にとりあげるのは3曲。今回も3曲とも動画にしました。ひくために必要な事はすべて動画を使いながら解説していきます。正直童謡では食指が動かないというかたも多いと思いますが、あえてつかう理由はメロディを覚える必要がないから。その分耳新しい階名のしくみに注意をむけることができます。先生も童謡で音感をみにつけられたそうですよ。この本を終えてしまえばどんな曲でも覚えてひける未来が待っていますからすこしのガマンです。
この記事でわかること
- 音感をみにつけた人たちの話に学ぶ
- みつるが思ったこと
- 学習教材?
- みつるはなんのためにやっているの?
- むすんでひらいて 解説
- おもちゃのチャチャチャ 解説
- きらきらぼし 解説
魔法のような方法はある?
これもYouTubeですが最近音楽関係の動画を見るようになって、よく教材の広告を目にするようになりました。「これさえ学べば」いままでの苦労とはお別れ。ややこしい理論を学ばなくてもすいすい上達。自由にひけるようになる。でもそんなうまい方法はなかなかないんじゃないかと個人的には思います。「おまえも同じようなことを言っているじゃないか」と言われそうですね。でも違います。
音感を身に着けた人の話に学ぶ
YouTubeには音感をみにつけた人がどうやってできたのか話している動画がたくさんあります。中学生より上になってから意識してみにつけたひとの話では、特定の曲を繰り返し聴いて「その音を記憶して高さを覚えた」というものが多かったです。みなさん自分のたいせつなテーマとして真剣に取り組んだというお話でした。音楽にあまり興味がないというひとなら音感をみにつけたいと思う機会はほとんどないと思います。でも音感を必要とするひとにとっては切実に欲しい能力のはず。求めるレベルは自分の必要や興味の度合いによってかわってきますが、欲しい音感を継続的に育てていける方法を自分で見つけられるようになるのがベストですね。このブログを始めたのもその模索が大きな目的になっています。もちろん歌や楽器がじょうずになりたいという具体的な目標があることは音感をよくするとてもいい動機付けになると思います。あなたはなにか具体的な目標がありますか?
みつるの思ったこと
僕は音楽を教えたり作曲したりすることを自分の仕事にしているわけではありません。音感をとりあげているほとんどのブログの運営者やYouTuberは「プロ」なので話している視点は少し違います。どんな方法であれ正しいかどうかを議論するより少しでも音楽に興味を持っている人のプラスになればというのが自分の気持です。自分の生徒になってほしいという考えはないので自分独自の特別な方法を覚えてくださいと提案しているわけではありません。なにかの教材を購入してほしいわけでもありません。むしろかんたんなメロディを覚えてひく。ただそれだけのために初心者がいろいろ覚えなければならないことか多すぎ。やらなくていいことはたくさんあるのではないか?というのが出発点になっています。メロディを歌ったりひいたりするのに絶対必要な事は
- 音は高さと名前(階名)をわかって歌う(それぞれの違いが区別できるように)
- それを暗譜する
これだけです。でも僕たちはすべての音を歌い分けること。普通は習っていませんよね。つまりいちばん基本的な知識が欠けているわけです。これではやろうと思ってもできるはずがない。調べてみたところ英米式の階名というのがあって僕たちでも簡単に使えることがわかったのです。この方法を知った時は「なんだちゃんとやりかたがあるじゃない」という感じでした。
紹介したいこと
このブログで当面紹介したいことは音を英米式の《階名》で発音すること。《音名》もそれにあわせてABC表記にしています。日本語の特性の話になるのですが、歌においては日本語は音の情報量が少ないので表現の幅が限られると言われています。ミュージカルなどで伝えられるお芝居の内容が翻訳で半減するという話を聞いたことはありませんか?つまり「音を歌いわける」という僕たちの目的にたいして日本語はもともと不利なのです。さらにその日本語を苦労して使って工夫を重ねた結果すばらしい階名システムがあらたにできたとしてもそれには一般性がありません。音楽のルールなら使ってもらってはじめて意味が生まれます。ブログで階名の説明をこころみるときに僕はローカルなルールを読者のみなさんに覚えて使ってもらおうという気持ちにはなれませんでした。今回の曲にも出てきますが日本人にとって問題になるのはRとLの発音による区別。でも逆に言うと問題点はそれくらいしかありません。雰囲気でよいのでとにかく歌い分けましょう。いずれは英語をしゃべるときもきます。今回の「おもちゃのチャチャチャ」は良い例が出てきます。この曲でReとLe(Laのフラットした音)のちがいを覚えてしまいましょう。
紹介したいこともうひとつだけ
もうひとつ紹介したいことは「みつる式タッチタイプピアノ」のひきかた。これは音楽に不慣れなひとでも鍵盤の活用が可能なように僕が考案したものでたしかに普及したひきかたではありません。ただ中身は単純そのものですからだれでもできてその意味ではきわめて一般的。だいたいピアノの動画というと指の長い素敵なルックスのピアニストが華麗に鍵盤を演奏する動画が定番。でもこれは「美男美女しかYouTubeに出ちゃいけない」というのと同じじゃないですか?ひけないひとの役にたつのは別のもの。なので「きらきらぼし」の手元動画では僕の放送事故レベルの「演奏」動画を披露させていただいています。形をおぼえていただくためにゆびはあえて伸ばしっぱなし。「みつる式」はピアノをひいた経験のないひとでも音感がみについてピアノがひけるようになるための方法ですのでぜひご参考にしていただければと思います。
過去の自分への手紙・おことわり
このブログでお伝えしているこうやるとうまくいくよというのは昔の僕自身が知りたかったこと。記事でご紹介したアプリ「和音博士」の作者の窪田さんもおっしゃっていましたが「過去の自分に教えるつもり」で紹介しています。なのでうまくいかなかったこともふくめなるべく正直に書かせていただければと思っています。なお「みつる式タッチタイプピアノ」の名称についてですがひとつおことわりしておかなければならないことがあります。星みつるさんという発達障害児教育に携わっていらっしゃる著名なかたがいらっしゃって「みつる式」という名称でコンテンツをつくられています。もちろん自分は元ボカロPで星さんとは無関係のまったくの別人です。自分はみつる式の名前で何かを販売したりはしませんので御迷惑になることはないと思いますがなんらかの事情で後発のこちらの名称が変わることがあるかもしれません。おことわりついでにもうひとつ。このブログの運営はみつる個人がおこなっています。読みにくくなってしまうことをご了承いただければ、活動の持続のために今後広告を掲載をさせていただくことがあるかも知れません。おとなの事情とお察しいただければと思います。
むすんでひらいて
動画はこちらになります。
だいたいは近く(ほとんどがとなり)の音になめらかに移動していきます。メロディがなだらかにつながっていてうたいやすくひきやすい。ところがその中で2回だけDoからSoにしたからうえにむかって大きくジャンプするところがあります。
Mi Mi Re Do Do Re Re Mi Re Do このあとジャンプ! So So Fa Mi Mi Re Do Re Mi Do
おなじ親指ですがホームポジションがうえのポジションに切りかわります。 おなじ指でポジションだけかわるのは大きな跳躍。音階の中では音の距離としては最大の跳躍になります。片手におさまるDo からFaの連続性に比べるとなにか「話が変わった」ような唐突な感じがあるのがわかると思います。この曲でDo →Soの感じをつかんでください。
音の跳躍についてはこちらの記事にまとめました。
手元動画はこちら。
おもちゃのチャチャチャ
動画はこちら。
テンポがはやいのでオリジナルのえほんでひくのはむずかしい曲です。ゆっくり動画で繰り返してください。この曲もむすんでひらいてとおなじく大きな跳躍があって曲を特徴づけています。
So So Fa Mi Mi Mi Fa So So So So Doの最後のSo→Do と下がる部分
そのすぐあと
Fa Fa Mi Re Re Re Re Re La La Le So のRe→La と上がる部分
よい対比になってメロディに流れを作り出しています。同じ指でポジションごとさがったりあがったりしていることに気付きましたか?あがっているほうのこの部分Re La Leと3つの高さの音を連続して同じ人さし指でひき続けます。出ました。Re と Le の歌い分けが必要になりますね。Le はふつうにレでいいと思います。Reは舌が口のなかにさわっていないのでウェっぽい音になります。アルファベットを思い浮かべるのと同時にしっかり区別してみて下さい。
カタカナドレミを英米式階名のDo Re Miにアップデートするのに必要なのは レ→Re(ウェ) シ→Ti(ティ)です。12音17種の音をフルカバーできないカタカナドレミは忘れましょう。音を聞いたら意識しないでRe Tiと発音しちゃうようになりましょう。何度も紹介してますがこの動画が参考になります。
音階外の音はSoシャープのSiとさきほどのLaフラットのLeが登場します。音としては同じ高さですが上行するメロディで登場するのか下降するメロディで登場するのかによって作曲者の越部さんは表記を変えています。Soから上がっていくときはSoを基準に半音うえのSi。反対にLa から下がっていくときはLaを基準に半音したのLeになります。そういわれると同じ音でも雰囲気がかわってきますね。耳をすましてみて下さい。
手元動画はこちら。
きらきらぼし
動画はこちら。
たぶん普通のえほんなら最初に登場するはずのゆっくりの曲です。この曲も冒頭にDo→Soがありますね。「みつる式」に慣れていただくにはちょうどいいと思います。
手元動画はこちら。オーバーにゆびを固定してどのゆびを使っているかを強調しています。手はもうすこしまるめたほうが実際はひきやすいですよ。
難易度について
この本は後半にクラシックのむずかしい曲が集められていますが、それ以外は難易度としてはいきつ戻りつ。なので今回のおもちゃのチャチャチャのように難しい要素のある曲が最初の方に登場したりしています。記事は掲載順に書いていきますので、むずかしいと感じた時はYouTubeのテンポを落として何度も聞いてみて下さい。ご質問もご遠慮なくどうぞ。それでは次回の曲「となりのトトロ」でお目にかかるのをたのしみにしています。
PRをひとこと。
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すてきなピアノえほんDX (たまひよ楽器あそび絵本) 単行本 – 2018/3/29 税込2530円