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すてきなピアノえほんDXで音感をよくしよう!第2回「2あたまかたひざポン」「3いとまきのうた」

動画編集いろいろ悩みながらやっています。うまくいったものについてはみなさんの参考にもなると思うのでそのうちどんな風にやっているかご紹介したいと思います。そんな試行錯誤があって少し時間をいただきましたがこの記事では2曲ご案内します。今回取り上げたいテーマはピアノの教本・教室にありがちなこと。このピアノえほんでもまさに同じことが起きています。たとえば教室ではピアノの練習は白鍵からはじまります。それは普通ですよね。僕が普通じゃないと感じるのは別のキーの曲が登場してもとてもさりげなく授業は進んでいくこと。そのとき「なにをどうするのか」とくに解説はなかったと記憶しています。たしかに幼児にわかるように教えるのはむずかしいかも。ただこのブログをよまれているみなさんは大人ですからなにもなしですすむのはあり得ません。とくに「はじめて」と考えればわかりやすい説明が必要です。必要以上に話を複雑にする必要はありませんがこの記事ではできるだけがんばりたいとおもいます。えほんにはまったく説明がありませんが2曲目の「いとまきのうた」のDoはCではありません。

この記事でわかること

  • すてきなピアノえほん収録曲のキー
  • 難しくなってしまう理由は
  • 音階を成立させるのは?
  • 和音は順番
  • 譜面への対処法
  • あたまかたひざポンについて
  • いとまきのうたについて

すてきなピアノえほんに登場するキー

本ブログでは動画を使って説明していきますので一目瞭然。曲ごとに動画を見て理解をすすめていただければと思います。話が抽象的にならないように収録曲のキーを書き出しておきます。アルファベットの音名は曲のDo Re Mi が鍵盤の音名で「どこからはじまっているか」を示しています。

音名と階名についてまだのかたはこちらの記事をどうぞ。

C(Do Re Mi が音名Cからはじまる)

おおきなくりのきのしたで

あたまかたひざポン

むすんでひらいて

おもちゃのチャチャチャ

きらきらぼし

いぬのおまわりさん

かえるのがっしょう

もりのくまさん

ぶんぶんぶん

げんこつやまのたぬきさん

さくらさくら

むらまつり

ゆき

シューベルトのこもりうた(シューベルト)

エリーゼののために(ベートーベン)

はる(ヴィヴァルディ)

Gせんじょうのアリア(バッハ)

こうきょうきょく だい9ばん(ベートーベン)

 

F(Do Re Mi が音名Fからはじまる)

いとまきのうた

となりのトトロ

ハッピー・バースディ

ミッキーマウス・マーチ

メリーさんのひつじ

ジュピター(ホルスト)

 

G(Do Re Mi が音名Gからはじまる)

せかいにひとつだけのはな

ねこふんじゃった

ピクニック

もみじ

 

Eb(Do Re Mi が音名Ebからはじまる)

ノクターン だい2ばん(ショパン)

 

C→A (Do Re Mi が音名Cからはじまる。途中音名Aから始まるDo Re Miにかわる)

トルコこうしんきょく(モーツアルト)

 

Cを中心にFとGその他のキーEbもあります。最後のトルコ行進曲には転調してAもあります。このえほんについては以上のC F G Eb Aの5種類がわかればクリアできます。

譜面で書くと複雑になる理由

譜面の複雑さにはものすごく単純な理由があります。ピアノの鍵盤を思い浮かべてください。Do Re MiがCからはじまる時、白鍵だけでひけてラクですよね。こんなふうにピアノはkey=Cをカンタンにひけるようにつくられているんです。いっぽう黒鍵からスタートするとDo Re Mi をひくだけでも全然違う印象になります。それはピアノがkey=C特別扱いした「マイナス」の結果ということになります。まったく同じことが楽譜にもあって楽譜もkey=Cを特別扱い。CからはじまるDo Re Miが簡単に書けるようつくられているのが譜面なのです。たとえば楽譜のことを5線譜といったりします。譜面では5本の線は同じにひいてあってみたところ違いはありません。普通の感覚では線は均等。互いに等間隔と感じるのではないでしょうか。実際は音を書き込んでいくとおどろいたことにとくに断りなく音どうしの高さの幅は「5線の場所によって」違います。key=Cを特別扱いして表現をラクにした結果ですが、そんなことをすればほかのキーを表現しようとしたときに余計なしわ寄せが生ずることは容易に想像できます。ちなみに作曲ソフトの編集画面の場合はどのキーでも表示は全く同じ。これを見れば譜面の複雑さは譜面固有のものであることが理解いただけると思います。

「みつる式」が解決

譜面の調号(楽譜の最初にあるシャープやフラット)というのはこのkey=C用の楽譜をほかのキーにフィットさせるための工夫。なのでそれ自体になにかプラスの特別な価値があるわけではありません。物理的な事柄としては音階が一音ずつずれていっているだけ。もともとはkey=Cの表現をえこひいきした結果です。自分で原因をつくっていることを「マッチポンプ」と言いますが理由が分かってみれば単に「どうあらわすか」の問題にすぎません。事柄に目を向けましょう。言っているのはこの3つだけです。

  • Do Re Mi Fa So La Ti の音列が音階になる
  • C C#/Db D D#/Eb E F E#/Gb G G#/Ab A A#/Bb B の12音どれからでもスタートできる
  • 音の数は12音だが表記は17種類なので調号も17種類

音楽の教科書では冒頭のほうに「これが理解できないと音楽が理解できない」と言わんばかりに仰々しく登場していることが多いですがドヤったところでですね。実用的に考えましょう。それには「みつる式」を使うことです。本ブログの読者のみなさまはもうだいぶ指に階名がはりついてきたころだと思います。はじめてのかたは4本指を鍵盤においてみて下さい。 親指がDo 人差指がRe 中指がMi 薬指がFa です。中指と薬指は半音でぴったり隣り合わせ。それ以外は半音ふたつの間隔になります。これがホームポジション。そしてホームポジションの薬指から半音ふたつがSo。手を並行移動させてそこにまた親指をおけば親指がSo 人差指がLa 中指がTi 薬指がDo です。並行移動ですのでこのときも中指と薬指は半音でぴったり隣り合わせ。それ以外は半音ふたつという指の間隔はかわりません。これでDo Re Mi Fa So La Ti Do の音階がひけました。お手持ちの鍵盤でぜひやってみてください。余裕のあるかたは親指の位置をいろいろな場所においてそこをスタートに試してみることをおすすめします。親指は12音どこにも置くことができます。事柄としては実はこれだけ。Wikiに出ている調号の見た目ほどは複雑な話ではないことがおわかりいただけると思います。

「みつる式」についてはこちらの記事にまとめがあります。

キーを決めるのは音列

使える音は12種類。どの音をどの順番でピックアップするかを決めるのが音階。音階という規則性を持ち込むことによってお互いに個性のなかった音に役割が出てきます。この役割を感じ取ることが「音感」です。たとえばどの音から音階がスタートしているのか。これを感じ取ることは曲の主音を感じること。曲のキーを感じ取ることと同じですが、このキーを決めているものこそ音階にほかなりません。音階が自由な音高に移動できることはこちらの動画でも表現されています。音のならびが意味を決めています。同じDo Re Miですが、曲のなかでキーはBb B Cの順で上がっていきます。以前もご紹介しましたがこの曲楽しくて好きです。単にトレーニングにはとどまらない歌う楽しさが生まれるように作曲されているからだと感じます。

以上の音階についてのはなしは和音についてもまったく同じことがいえます。ひとつひとつの和音を単独にとりだしてしまっては役割や意味は定まりません。ある音階のもとでいくつか並んだときにはじめてコードの役割はきまってきます。だからコードブックのようにひとつひとつの和音の構成音を覚えることに留まってしまってはなにもしていないのと同じ。特定のキーのなかで2つ以上をならべてみて「どんな感じになるか」ながれを経験してみることが理解につながります。和音については音をききながらつながりをためせる「和音博士」というよいアプリがあります。無料でいろいろトライしてみてください。

譜面しか情報がなかったら

このブログに関してはみなさんが譜面を見る必要がないように音は動画化していきます。でも、なにか曲を歌いたい・ひきたいというとき譜面しか手がかりがない場合もあるかもしれません。そんなときのためのコツをご紹介します。調号は12音17種類ありますが調号ごとにDoは決まっています。「調号」で検索するとWikiに出ています。なのでいまは全部を覚えようとする必要はありません。Doがわかったら譜面にDo Re Miを書き込んでいきましょう。Do Re Mi Fa So La Ti はd r m f s l t と小文字で書くのがいいと思います。シャープやフラットの変化形はDi Ri Fi Si Li とか Ra Me Se Le Teのように大文字スタートで書くと普通の音と区別がついてわかりやすくなります。コツコツ書き込んでしまいましょう。そして書けたらDo Re Mi で歌いましょう。「みつる式」でひきましょう。ただの譜面よりぐっと分かりやすくなったと思いませんか?Doの高さ・位置さえわかっていれば調号やキーにさほど深い意味はありません。譜面にDo Re Miを書きこむことであなたは曲を理解しました。大切なのはメロディです。理解したら覚えてしまいましょう。どこでも歌い・ひくことができるようになります。譜面にDo Re Miを書き込んだイメージはこんなふうになります。この29番についてはあとであらためて動画にして解説しますのでいまはみるだけでOK。理解するひつようはありませんのでご安心ください。

あたまかたひざポン

ようやく本題ですね。動画ご覧ください。

指の動きはこちらです。

key=CでGのSoから曲が始まります。音階のなかで一番Doから遠い音ですね。この曲はSoがどんなふうにDoにもどっていくか。その旅のものがたりになっています。もちろん家には簡単には帰りません。So La Ti Doとやってしまったら曲がそこでおわってしまいます。前半のおわりRe Mi Fa Mi Fa Soで家に帰らず踏みとどまっていますね。音階の中の距離感については「世界で一番短い曲」で説明を試みています。よろしければこちらの記事をどうぞ。

いとまきのうた

key=Fは初出ですね。FをDoとする音階はDo Re Mi Fa So La Ti がF G A Bb C D Eになります。ことばではややこしいので動画を見てください。FがDo。CがSo になっていることを意識してみていただくとよいと思います。

指の動きはこちらをどうぞ。

とくにkey=Fでも「みつる式」のひきかたに変わる点はありません。Do Re Miはかわらず親指、人差指、中指です。Faは薬指でひきますがBbの黒鍵になりますのでちょっと指をのばしてみてください。この曲もSoはじまりですね。いろいろ旅して最後Fa Fa Mi Mi Re Re Doと家に帰っているのがわかると思います。

次回もお楽しみに

現在のところ課題になっているのは伴奏をどうするか。テンポが遅い場合アコギ以外にあうものがないか考えてみたいと思います。コードをどうするか。伴奏をどうするかというのは常にボカロPにとっては課題となるテーマ。以前は歌詞と曲ができても進捗としては2割くらいと感じることもありました。オリ曲にとってはそれだけ曲の役割は大きいということでもあります。ただここもアマチュアミュージシャンなら省力化を考えてもいいところだと思います。曲のクオリティがあがるならループを使うのもあり。GarageBandやLogicはそうした考え方ですね。スクラッチで全部つくるひつようはないのかもしれません。(現状でもつくっていませんが。)その辺りまだまだキャッチアップできていないことばかりですのでいろいろ調べていきたいとおもいます。また次回の動画でお目にかかりましょう。ブログ記事もお楽しみに。

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すてきなピアノえほんDX (たまひよ楽器あそび絵本) 単行本 – 2018/3/29 税込2530円

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