右手のメロディから100%完全に手クセを排除した(自負があります)僕の考えた「みつる式タッチタイピングピアノ」ですが左手にそのまま適応できるかどうかというとむずかしい。なぜなら伴奏のコードというのは本来無意識でひくものだから。その理由をひもときつつ今回は「主要なスリーコード」についてひきかたの案を考えてみました。和音の構成音を《手クセ》に落とし込めるようにトライしてみたのでよかったらおつきあいください。例によって長い()ですが読み終わるころには12キーでマスターできているとおもいます。
この記事でわかること
- 主要3和音を考えてみる
- ひきかたの案は?
- なぜ《手クセ》が必要なのか?
- ひいてみよう。
- 12音階行きます
主要な3和音とは
コードDo コードFa コードSoのことですね。前回記事をお読みいただいていないかたにはいきなりみつる式のコード表記でもうしわけありません()。ディグリー表記というのがあってローマ数字を使いますが結局それは階名で書けるというのが前回の着想でした。コード表記に疑問をお持ちのかたは多くいらっしゃるようでプロトタイプにもかかわらずたくさんのかたに読んでいただきました。
ディグリー表記を階名で
ダイアトニックコードを階名表示に変換していきます。
ⅠⅡⅢⅣⅤⅥⅦはDo Re Mi Fa So La Tiなので
Ⅰ = Do =構成音はDo Mi So IMaj7=Do Mi Ti
Ⅱmin= Re =構成音はRe Fa La Ⅱmin7= Re Fa Do
Ⅲmin= Mi =構成音はMi So Ti Ⅲmin7= Mi So Re
Ⅳ= Fa =構成音はFa La Do ⅣMaj7=Fa La Mi
Ⅴ = So =構成音はSo Ti Re Ⅴ7=So Ti Fa
Ⅵmin = La =構成音はLa Do Mi Ⅵmin7=La Do So
Ⅶdim =Ti =構成音はTi Re Fa Ⅶmin7b5=Ti Re Fa La
ダイアトニックコードはぜんぶDo Re Mi Fa So La Tiの音階内の音で構成されていますね。こんなふうに階名で表してはどうかという話が前回の内容でした。第2音・3音を省略するかは結局使うひと次第なのかな?という気がします。全部書いてしまっても4和音なら正直たいして変わらない。ということで使う可能性の高いディグリーコードの構成音を全部書き出したPDFはこちらの記事にあります。ご参考になさってください。
小さな曲をつくってみました
今回はⅣ Ⅰ Ⅴ Ⅰの曲をつくってみました。言いかえるとFa Do So Doの曲をつくってみました。やはりこのほうが断然イメージがわきやすくありませんか?。構成音は言葉でかけます。譜面はとりあえずいりません。
まず最初がコードFa La Do Mi (ⅣMaj7)
Fa La Do Mi
つぎが コードDo Mi So Ti(ⅠMaj7)順番がなぜこうなっているかはあとで説明しますね。
So Ti Do Mi
つぎがコードSo Ti Re Fa (Ⅴ7)
So Ti Re Fa
最後がもう一度コードDo Mi So Ti(ⅠMaj7)
So Ti Do Mi
メロディはFa Do So Doです。これはコードのルート音と同じになります。曲はこんな感じです。最初のFa Do So Doを繰り返し自分で歌いながら聞くとイメージがつかみやすいと思います。
左手でコードをひくときに必要なこと
それはずばり無意識でひけること。なぜかというと歌ったりメロディをひいたりすることに集中したいからです。左手にさける注意力はたぶん多くても10%くらい。なので「伴奏」には全体がブランドタッチであること・自動化されていること、がもとめられているとも言えます。自分でひきがたりのパフォーマンスしようと思うとめちゃめちゃハードルが高くなるのはこれが原因ですね。
適度な連続性と不連続性
コードをコードネームで理解しようとすること。あるいはディグリーを使ったディグリーネームで一体として理解しようとすること。それはひとつの方法なのですが本当に効率がいいか?というと疑問なところもあります。とくにさきほどのように自分でひいてみようと思ったときですね。コードはそれぞれが完全にバラバラ。独立しているといったものではありません。結局のところ音数は最大で12。音階に至っては7しかありません。つまり和音にしたら使う音はめちゃめちゃかぶるわけです。このかぶりを適度に調整することで音に連続性と展開力の両方をもたらすのがコードプログレッション。なので進行のなかで変化するものとしないものがわかったほうが結局コードもかんたんに理解できる。コードは単独で存在しているわけではなくあくまで曲の流れの中の存在ですからコードがわかること=音の変化を感じられるようになること。僕はそんな風に思います。
要するに手クセ
演奏しているときにいつも同じパターンになることを手クセと言いますが別に悪いことではないです。かっこいいフレーズが頻出パターンになるのは当然。マイナスがあるとすると自分でも意味が分からないでやっている(僕のギターがそうでしたね())ため発展性がない・応用がきかないといったこと。でも「みつる式」をマスターしたみなさんなら「音」がわかっているわけですからそんな状態には陥りようがありません。連続と不連続なんていうとむずかしく聞こえますが、動かす指と動かさない指があるというだけ。要するにそういってしまえば全部手クセなんです。その中にコードプログレッションはあります。コードの変化をわずかの指の動きとして感じ取れるようになったとしたら最強じゃありませんか?ミュージシャンは当たり前にやっていることだと思いますがここはたとえ0.1%でもマネすべきところだと僕は思います。できたら絶対いいことがあります。
ピアノの利点
コードの解説に鍵盤は絶対必要。YouTubeのチュートリアル動画でも必ずといっていいほど上から見た88鍵が映り込んでいます()。理由はピアノが単純だから。左から右へ一直線に音が高くなっていく。超シンプルです。黒鍵が目印になるのでどこにいるかもわかりやすい。僕は「かんたんに手クセでひく」ことを意識して鍵盤上でなるべく指の動きの少ないパターンを考えてみますので「この指とこの指をズラすんだな」という意識でみていただけると覚えやすいと思います。
Ⅳ Ⅰ Ⅴ Ⅰ=Fa Do So Do
鍵盤の図を入れてもう一度構成音を確認していきましょう。
まず最初がコードFa La Do Mi (ⅣMaj7)
Fa La Do Mi
これのひきかたですが、人差指をDoに親指をMiにセットしてください。そうすると自然に小指がFa 中指がLaにくると思います。左手なので「みつる式」ではありません。指は5本使いますよ。
つぎが コードDo Mi So Ti(ⅠMaj7)
So Ti Do Mi
見ていただくとわかるとおりDo とMiは動きません。この順番にしたのはこれがしたかったから。小指と中指だけが同じように半音ふたつ(キーふたつ分)右にずれます。和音が落ち着いた感じにプログレッションしているのを感じていただけますか?超重要なコードチェンジですが指の動きとしてはこれだけなんです。
つぎがコードSo Ti Re Fa (Ⅴ7)
So Ti Re Fa
今度はSoとTiが動きません。人差指は半音ふたつ(キーふたつ)右に親指は半音1つ(キー1つ)右に移動します。あまり動いているようには見えませんがこれが音階内の最大の跳躍なんです。
最後がもう一度コードDo Mi So Ti(ⅠMaj7)
So Ti Do Mi
人差指と親指がもとの位置に戻っただけですが超重要なコードSoからDoへの移動が完了です。こんなふうに些細なことで音の役割ってガラッ変わってしまうんです。なら最初はうまくひけなくて当然じゃありませんか?繊細な音の感覚をゆっくりやしなっていけばいいんです。
メロディをつけたのでよかったらひいてみてください
さきほど聞いていただいた曲。譜面はこんなふうになっています。最後にくりかえす4小節は無限にループできますので、よかったらメロディを歌いながら左手でコードをひいてみてください。できるかたは両手でどうぞ。11小節めからのメロディはDo Re Mi Fa Fa Mi Re Do Do Ti La So So La Ti Do ( Do Re Mi Fa ~くりかえし)と音階をなぞっています。
サークルオブフィフスはひいていただけましたか?
みつる式でひいていただいたかたならどのkeyでもDo Re Miがだいたい把握できると思います。目をつぶって左手の人差指を鍵盤に乗せてみてください。そこが新しいDoです。主要3和音はわかりますか?TiはDoのとなりですぐわかりますね。Faがわかればひきはじめることができます。Soがわかればカンペキ。もちろん右手を物差しに音階をみつる式でひいて調べてみるのはOKです。いろんなkeyでぜひ試してみてください。僕もやってみます。
<22/12/28追記 12keyでやってみました>
3コードの進行を12keyでやってみました。よろしければお聞きください。鍵盤図も12key分つけたのでお好きなkeyでおさえてみてください。