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Lofiレーベルが使用を禁止する著作権フリーサンプルとは?

  • 2024年2月10日
  • 2024年2月11日
  • 参考曲

前回は「音楽の素材サイト」側がLofiチャンネルに<つかわないで>と言っているお話をしましたが、逆のこともあるんです。音楽を作ってチャンネルを運営している側の「音楽レーベル」がフリー素材を使わないでといっているという話を見つけました。関係があるのかは不明ですが、実際ぼくが最近サブスクしてみたLoopcloudでもタイトルに「lofi」とあるようなサンプルパックはほとんど見かけません。今回はその理由についてわかる記事をみつけたのでご紹介します。そしてどんな状況なのか?ぼくのわかった範囲で情報を共有したいとおもいます。

この記事でわかること

  • 音楽での成功のもう一つのパターン
  • Lofigirlはどれだけの収益をあげているか?
  • たった16秒の一致で収益不可の判定をされるおそろしさ
  • 法的にクリアでも判定はAI
  • Lofiガールで何がおきていたのか?
  • ループ素材・音源の使い方には注意が必要。
  • 今後の期待
  • DAWに搭載されるべき機能
  • 素材サイト・プラグインメーカーの対応
  • 未来があるのは自己参照しないジャンル

まずはこの動画からご紹介

とてもよくできた面白い動画だとおもいます。

広告収入が年130万ドルですからチャンネルの収益は現在レート(1ドル=149.31円)で推定が合っているとすれば1億9千400万円になります。配信プラットフォームでヒットさせるだけでなく、レーベルのチャンネルを育てるというやりかたもあります。

成功の理由

についてはいろいろなところで分析されていると思うのでふれませんが、このサイトはユーザーの居場所になってリアルにひとの役に立っています。もちろんサウンドもオリジナル。こうした要素は絶対に必要な条件になりますが、この2点は容易にマネできないので、先ほどの動画は模倣サイトの模倣という内容になっています。

模倣がむずかしいと思われる理由

お小遣いにはなるかもしれない夢のある内容です。しかし、それすらもむずかしい可能性があります。収益化の判定は機械的に行われるからです。こちらの動画をご覧ください。

この動画の3:20のところで対象範囲がわずか16秒ということが明らかになります。たくさんの費用と時間をかけて制作した動画が16秒の著作権フリー音楽の使用で収益停止になる。シンプルに恐い話ですね。このケースは同じフリー素材を使った別のコンテンツがID登録されていたからではないかと想像されます。

Lofiガールでなにがおきていたのか?

以前このブログでLofiガールをご紹介したとき、ちょうどライブ配信が停止されていました。そのあたりの事情についてわかる記事をみつけました。重要な内容が書かれた読み応えのある記事です。要約もつけますが、全文をお読みいただくことをおすすめします。

ロイヤルティフリーサンプルが原因の著作権侵害申し立ての話とLofiシーンのワンパターン化につい

ChatGPTによる要約

この記事は、ロイヤルティフリーサンプルを使用した楽曲制作における著作権侵害の問題と、Lofi音楽シーンのワンパターン化について論じています。著者「Refeeld」は、自身の経験と業界の見聞を基に、サンプル使用時の注意点や対処法を提案しています。特に、ロイヤルティフリーサンプルを使用した楽曲が他者の作品と誤って同一視され、配信拒否や著作権侵害の申し立てがなされるケースに焦点を当てています。Lofi GirlのYouTube Live配信が誤った著作権侵害申し立てによって一時停止された出来事を例に挙げ、このような誤検知の背景にある問題点を指摘しています。

また、Lofiシーンのワンパターン化と過度な商業化についても言及しています。著者は、Lofi音楽が本来持つ創造性や多様性が損なわれつつある現状に懸念を示しつつ、自身もこのシーンの一員として、オリジナリティある作品作りを心がけていることを強調しています。

著者は、サンプルのピッチやテンポを変更する、サンプルをチョップして再構成するなどの方法で、楽曲が著作権侵害と誤検知されるリスクを減らすことを推奨しています。しかし、これらの対策にもかかわらず、サンプルを使用した楽曲が著作権保護の対象となり、誤検知のリスクが依然として存在することも認めています。

全体として、この記事は、音楽制作におけるサンプル使用の複雑さと、Lofi音楽シーンの現状について深い洞察を提供しています。著者は、技術的な解決策の提案だけでなく、音楽制作の倫理についても考察しており、読者に対し、この問題に対するより幅広い視野を促しています。

サンプル素材の取り扱いには注意

オーディオストックでは単に一つの楽器でシンプルにコードをならすだけの楽曲は審査に通らないそうです。これはYouTubeの誤判定対策だと思われます。ボーカルやリードが乗っていれば別ですが、自分で使う場合もサンプル素材そのままを長く使うのは不可だということがわかります。

今後の展望

ここからは今後の展望として、望ましいことを考えてみました。

段階的な著作権

素材の共有を前提にすると著作権にも2種類あっていいのでは?と思います。ひとつはこれまで通り、ほかの人に類似をまったくゆるさない著作権。ただし主張できるのは100%オリジナルの作品に限ります。もう一つは自分も共用の可能性のあるサンプルを使っているから著作権は主張するが、ほかのひとがサンプルを共用するなど類似する作品を作った場合それをみとめた上で後者の得た収益の一部を必要に応じて分け合うという著作権。このような使い分けがあれば、オリジナルの権利を守りたい人も、同じサンプルで曲を作りたい人もハッピーなのではないか?と思います。サンプルを大々的に使っている曲に完全な著作権をみとめるというのはそもそもちょっと変な気がします。それより収益停止の可能性があることによる委縮は、作家の創造性にとってめちゃめちゃマイナス。Lofiのサンプルだってないと困るわけです。それをバックにとてつもない良メロがうまれる可能性だってあるわけですから。

DAWに求められる機能

Suno AIにとってYouTubeの著作権誤判定を回避できるかどうか?というのは最大の課題になってくると思います。その結果どこへ行くのかわからないメロディや着地点の見えないコードになったとしてもしかたありません。オーディオストックのように「YouTubeあんしん」のタグがついていないと契約しないというひとがほとんどだろうと考えられるからです。

しかし、もしそうなったとしたら、ぼくのように音楽の勉強をするためにSunoをつかっているひとにとっては魅力のほぼすべてが失われます。願わくば「理想のメロディ、コード進行のためにはあえて過去曲との類似も辞さないモード」も残してほしい。使える音が7音というなか類似は当然生ずるものだと考えるからです。DAWも同様でAI搭載のDAWなら理想の作曲のサジェスチョンだげでなく、類似のチェックもやってもらえるのではないでしょうか?

サンプル&VSTインストゥルメント

使ったか使っていないかの判定には明確な基準が必要。サンプルにウォーターマークが入っていればわかりやすいのではないでしょうか?VSTインストゥルメントにプリセットされたフレーズも加工せずにまとまった長さをつかうならウォーターマークが必要になると思います。楽器だけでなくフレーズまで愛用している神のようなユーザーですから、メーカーからの救済措置はあってほしいと思います。

いかがだったでしょうか?

著作権侵害の誤判定。結果は重大で収益化停止は頭の痛い問題ですが、現実的には機械的な判定に委ねざるをえない部分もあると思います。システムが追い付いていない部分だと思いますが、クリエイターが委縮しなくていいように整備が早く進むといいですね。それから、音楽ジャンルの衰退についてですが普通に起こりうることで、ジャンルが確立され、あらたな楽曲がそのジャンルの曲をリファレンスに作られるようになると一気に進むように感じています。新ジャンルの曲がフレッシュなのは、他のジャンルの曲を参照しながら可能性を模索しているからのように思います。それではまた次回のブログでお目にかかりましょう。

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