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CAGEDシステムをわかりやすく(その5)なぜBAGEDシステムじゃないの?

すこしわかってきましたCAGEDシステム。今回はなぜこの五つのフォームなのか?について考えてみたいと思います。開放弦の調律どおりならBAGEDシステムでもいいはず。Cが入っていることに恣意性を感じたのですが、それもそのはずCはCAGEDシステムを駆動するための最も重要な役割をはたしていたんです。図を使ってていねいにご説明しますので、きっとその仕組みをご理解いただけると思います。CAGEDシステム。じっくりごらんください。

この記事でわかること

  • CAGEDシステムがわかりにくい理由
  • 6弦なのに5種類しかフォームがないのはなぜ?
  • Cフォームの役割
  • CAGEDシステムのめざすところ

CAGEDシステムがわかりにくいのは「ナット」のせい

おぼえやすいオープンコードをベースにするという考え方には賛成なのですが、ここにまず落とし穴があります。開放弦が使えるのは最初だけ。指の代わりにナット(ギターのネック側の弦を支えているパーツの呼び名です)がおさえてくれているオープンコードですから、フォームは半音あがるだけで変わってしまいます。実際にはおさえずに理解のベースにするのですから混乱が生じているのではないでしょうか?

0フレットも入るコードフォーム

ローコードのおさえかたとは違ってCAGEDシステムが使うのは、0フレットも含めたコードフォームになります。ナットがおさえている分もフォームに含めて考えるということですね。

5種類のコードフォーム

ところでCAGEDシステムは指板の説明に5種類のコードフォームをつかいます。これはなぜでしょうか?複数のコードフォームを使い分けている理由は、それぞれの弦の上にルート音があるフォームを用いているからです。ギターの弦は6本ありますが、1弦(一番細い弦)は6弦(一番太い弦)と高さは同じ。したがって5種類を考えればOKということになります。

各弦にルートがあるコードフォームはどれ?

CAGEDシステムはオープンコードのフォームを用いているんでしたね。ですから各弦のチューニングされている音高がそのままフォームを表しています。

6弦Eフォーム 5弦Aフォーム 4弦Dフォーム 3弦Gフォーム。残る2弦はB。でもBフォームじゃなくてCを使っているんです。その理由ぼくも不思議でした。ここからは実際に図で見ていってみましょう。

6弦Eフォーム

ルートは6弦のナットです。Eになります。オレンジに色をつけてあります。

5弦Aフォーム

前回の記事で書きました通り、真上のフレットは音階の4音目になります。自分を1度と数えますのでこの間隔のことを4度と表現します。音階の中でたとえばdからfに進むような音程です。コードの形を保ったままルート音が弦を垂直に上に(となりの弦へ)移動します。コードの形を保ってと言いましたが3弦から2弦に入るときに右ひとつにずれます。2弦のポジションは1弦にいってもずれません。もうすでに1回ずれているからです。

コード全体の形は保たれていて、mだけ右に動いたのがわかりますか?

4弦Dフォーム

つづけていきましょう。また一段上にあがります。すると今度はどこがうごくでしょうか?

そうですね。うごくのはdになります。

3弦Gフォーム

おなじように続きます。1弦にあったデータは見切れていきます。

3弦でコード構成音だったsはもちろん右に移動していますが、新たに移動して入ってきたmがコード構成音として採用されています。同様に6弦にdが入ってきて通常はこちらがルートになります。(薄く色を付けました。)ただし、ここまでの話の流れから、このGコードは3弦ルートと言う風に理解しておいてください。

2弦Cフォーム

さて問題のCフォームです。一つ前のGでルートのdは3弦まで上がってきていました。察しのよいかたはお気づきかもしれませんがここでルートが0フレットから1フレットに右に移動します。Cフォームが選ばれているのはまさにこのためなのです。

もしもBフォームだったら

Bをルートとしてこのコードを表現したとしたらどんな不都合が生ずるでしょうか?コードを平行移動させるというこれまでのルールを破るということを特別に認めたとしても、システム全体にかかわる大問題が生じます。Bのコードのルートが0フレットのままだからです。もしBを使ってしまったら、CAGEDシステムはここまでのたった五つのコードフォームで終了。0フレットからルートがぬけ出せないままで終わってしまいます。コードフォームで指板全体を覆い、全体に音をいきわたらせるのがCAGEDシステムのねらいですから、これでは困ってしまいます。

ふたたびCフォーム

それではCフォームだと何がおきるか続きをみてみましょう。

Gからの上に平行移動なのはこれまで通り、2弦に入ったルートのdが右に移動します。これによって、ルートは次のフレット(1フレット)に移動しました。

6弦1フレットEフォーム

コードフォームは5つしかありません。ルートが6弦に戻ってきましたのでEフォームになります。。最初と見比べてみて下さい。全く同じで全体が右にひとつずれているのがわかります。これでワンサイクルの終了です。コードはF。1フレット右に進んでEからFに半音上がりました。

イメージがつかみにくいかもしれないのでもうワンサイクル同じことを繰り返します。ルートの軌跡を追いかけて下さい。

5弦1フレットAフォーム

4弦1フレットDフォーム

3弦1フレットGフォーム

2弦2フレットCフォーム

6弦2フレットEフォーム

2サイクルが完了しました。もう少し続けます。

5弦2フレットAフォーム

4弦2フレットDフォーム

3弦2フレットGフォーム

2弦3フレットCフォーム

6弦3フレットEフォーム

2周目を終了して3フレット目にはいりました。音的にも12音を網羅しましたのでここでいったん終了します。ルート音が6弦から2弦までをひとつの取りこぼしもなく移動したのをご覧になりましたか?CAGEDシステムによって指板全体がカバーされることがお分かりいただけると思います。

いかがだったでしょうか?

イメージとしては、ギターのネックの周りをグルグル回りながら、高いほうに向かって進んでいるようなイメージです。ギターの弦のインターバルは4度が基本なので、自分をdのコードとすると、同じフレットを高いほうの弦に進んでfのコード。ひくいほうの弦に進んでsのコードになります。なにも考えずに3コードが平行移動だけでひけるのがギターなんですね。音階順にただ鍵盤をならべただけのピアノに比べると、とても音楽的に設計されていることがわかって面白いです。それではまた次回のブログでお目にかかりましょう。

<追記です>

1・2弦が半音低く調律されている、いいかえると3弦と2弦の間だけ5半音ではなく4半音に調律されている理由についてはこちらの記事にまとめました。

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