今回はRapの源流に迫ってみましょう。理由はドリームトニクスがRapのできるAIシンガーRitchyとD-Lin のVoice Databaseを正式にリリースしたからです。（発売日は2023/7/4でちょっと前）。ざっくり40年くらい時代をさかのぼりますがRap曲をつくるからにはヒストリーを知っとかないとですよね。実際始まりの曲かどうかは後の記事の中で触れています。
この記事でわかること
- 「最初のRap曲」
- その音楽史上の意味
- 僕の思ったこと
この曲です
まずは聞いてみて下さい。こちらがサンプリングの元ネタになった曲。CHICのGood Times
そしてこちらが今回取り上げるRapper’s Delightです。
元の歌詞はむちゃむちゃながいです。まず大量の歌詞をつくる心構えが必要です。
歌詞はこちらのGoogleのサイトでごらんになれます。
シュガーヒル・ギャング rapper’s delight 歌詞 – Google 検索
ざっくりGPTに訳してもらいました。こんなことを歌ってます。
今聞いてるのはテストじゃない ビートに乗ってラップしてるのさ そして私、このグルーヴと 友達がみんなの足を動かそうとしてるんだ 私はWonder Mike、 黒、白、赤、茶、紫、黄色のみんなに挨拶したい でも最初に、ビートに合わせて踊ろう
ビートを乗せて、止めないで その謎のリズムで体を揺さぶろう 今までに、私の声は聞こえてきたはず でも2人の友達も一緒に連れてきたよ 次はマイクのHank さあ、Hank、その歌を歌ってよ 確認してみて： 私はC-a-s-an-the-o-v-a 残りはf-l-y コード名はミックスの博士 そしてその理由を、君に教えるよ
私は6フィート1インチ 楽しい時を過ごして、Tシャツを着てる 私の持ってる服は Muhammad Aliよりも多い、そして本当に魅力的に着てる ボディガードがいて、2台の大きな車がある それは確かにダサくない Lincoln Continentalと、サンルーフ付きのキャデラック 学校が終わったら、プールで泳ぐよ 壁の上にあるのさ カラーテレビがあるから、 Knicksがバスケをするのを見れる
小切手帳やクレジットカードの話をしてるよ バカが使うよりもお金をたくさん持ってる でも、どんなに貧乏なヤツに お金をあげる気はない、再び成功するまで ホテル、モーテル、 今日は何するつもり？ （何って？） かわいい子を見つけて、ちょっと楽しもうと スタイリッシュなOJで出かけよう 皆、ホテル、モーテル、 Holiday Innへ もし君の彼女が 不調だったら、 彼女の友達と行けばいい
Master Gee、私はリラックスしてる？ 次は君の番、何するつもり？ ずっと、ずっと、ずっと、ずっと ビートは夜明けまで止まらない 私はm-a-s, t-e-r 二重のeのg 私の名前は 全世界で知られている 色っぽい女性や、きれいな女の子たちに 歴史に名を刻む 今までにいた中で最悪のラッパーとして
ハイな気持ちやローな気持ち ビートが足先から広がる 指をポップさせ、足を踏み鳴らす 体を動かしながら、 席に座ってる そして、あれよあれよという間に、 フリークダンスを始めるんだ あれよあれよという間に、 席から立ち上がる 手を高くあげる リズムに合わせて、お尻を振る ビートに乗ったまま、何も気にせず 私は5フィートの長さのマイクで スタンドアップしてラップする 君が、私のジョブについて質問するなら 答えは、すぐに聴衆を驚かせること
GPTはこのへんまでしかやってくれませんでした。ぜひ完訳しているページを探してみて下さい。とりあえず先に進みましょう。以下まとめになります。
＜23/11/15追記＞
別のAI（claude)にやってもらいました。こんな内容です。
アップロードされた英語の歌詞を日本語に正確に翻訳することは難しいです。歌詞の意味は言葉だけではなく、リズム、言葉遊び、スラングなど、様々な要素が絡み合っているためです。可能な限り意味を推測しましたが、ニュアンスを完全には伝えられていない部分もあると思います。ご了承ください。
今聞こえているのはテストではない リズムに乗せてラップしているんだよ 俺はワンダー・マイクだ、みんなに挨拶したい 黒人、白人、赤い肌、茶色い肌、紫と黄色い肌にもね でもまずは、ブギにブギを踊らせるんだ ブギウギのブギにジャンプさせるんだよ レットズ・ロック、止まるなよ ボディを揺らすリズムレットズ・ロック、止まるなよ
これまで俺の声を聞いてきただろ? でも2人の友達も連れてきたんだ 次は俺の仲間ハンクだ、歌えよハンク!
俺はカサノヴァだ、残りはフライ コードネームは診療所のドクター・オブ・ザ・ミックス 理由を言うぜ:
俺は6フィート1インチで超楽しい奴だ、Tの文字のようにド派手に服を着るんだ Muhammad Aliより服を持っているし、凄く派手に服を着るんだ ボディガードがいるし、2台のデカい車もある、チープじゃないってわけだ リンカーン・コンチネンタルとサンルーフのカデラックを持っているんだから 授業が終わったら、壁についているプールに飛び込むってわけさ
ニックスのバスケを見られるカラーTVを持っているんだぜ 小切手帳、クレジットカード、金持ちになれるくらいの金を持っていると言ってるのを聞いただろ? でもバカな奴や怠け者には1セントもくれない。また自分で金を作るまでね。
ホテル、モーテル、今日は何するんだい?(なんだと?) オシャレな子をゲットして、スパンキンをするんだ。ディフォージェイを運転するんだ みんなホテル、モーテル、ホリデイインだね。 娘が変なことするなら、その子の友達を連れていけばいいんだ。
俺はマスターGだ、落ち着いているか? 君次第だ、何をするつもりなんだ?
さあ始まるぞ、止まらない 夜明けまでビートは止まらないんだ
M-A-S-T-E-R、A-GのマスターGって呼ばれる忘れられない名前が俺の名前なんだ
俺の名前は世界中のフォクシー・レディー、可愛い女の子に知られている
女の子を虜にするラッパーの中で一番になるんだ
今は高揚感を感じているだろう? でも落ち込む時も来るさ
ビートが足のつま先に響き始めると 体がノッているんだ 指をパチパチ鳴らし、足を踏み鳴らす 座っていながら体を揺らすんだ
そしたらダムと立ち上がるんだ フリークアウトするんだ、座っていられない
手を高く上げるんだ、リズムに体を任せるんだ 後ろを揺らすんだ、心配なんて何もない
この空気感から抜け出すために 他に二つない変な奴だからショックを与える
お尻に切符を突っ込むんだよ
1,2,3,4と数えろ、女の子達よ、フロアに来いよ 生き返れ、全力を出せって
盛り上がらせることは保証するからな
1,2,3,4、言えワンダー・マイク、何を待っているんだ?
ヒップホップ、ヒッピーからヒッピーへ ヒップヒップホップ、ロックを止めるな
ブギウギまで、ブギを上げろと スクードゥビードゥー、俺達はスクービー・ドゥーさ
とにかく、アメリカよ、俺達は君を愛している
魂を込めてロックン・ロールするからな
101歳になってもロックできるってわけだ
自慢したくない、誇示したくないんだけど ホットバターのトーストのように気に入ってもらえている
ロックン・ロールだ、投げちゃえフロアに
ここで君をフリークアウトさせる、そこで君をフリークアウトさせる この空気感から抜け出させるんだ
他に二つない変な奴だからショックを与えるさ
1,2,3,4、来いよ女の子達、フロアに来いよ 生き返れ、全力を出せって
盛り上がらせることは保証する
1,2,3,4、言えワンダー・マイク、何を待っているんだ?
ヒップホップ、ヒッピーからヒッピーへ ヒップヒップホップ、ロックを止めるな
ブギウギまで、ブギを上げろと スクードゥビードゥー、俺達はスクービー・ドゥーさ
こんにちはアメリカ、101歳までロックできるってわけだ
人生のうち特別な時があるだろう?
友達の家に夕食に招待されるけど
食べ物がまずくて食べられない時が
マカロニがだらしなく、豆がペースト状で
鶏肉の味が木のようだった時が
でも平然と受け流そうとする
お腹がいっぱいだと言って
でも友達は「ママ、彼は丁寧だから言っているだけだよ。まだ食べてないんだから」と言う
心臓がドキドキして、嘘をつく
もう食べたと言うんだ
でも友達は「まだたくさんあるから」と言って
おかわりを勧める
口に運んだ食べ物がゆっくりと腐っていく気がする
チーズのような物に変わっていく
早くここから出たいと思う
人の感想なんか知ったことか、気にしない
この不味い食べ物で吐き気がするんだ
ドアから飛び出すんだ、まだ閉まっているドアから
食べた食べ物でまだ気分が悪い
薬局に駆け込んでクロペクタートで救いを求める
2週間後、友達に様子を聞く
「食べ物のことはわかる。でもバディ、まだ友達さ」
ヒップホップ、ヒッピーからヒッピーへ
ヒップヒップホップ、止まるな ブギのリズムに合わせろ…
Rapの始まりの曲Rapper’s Delightについて
第1章: 序章: Rapとは何か？
ヒップホップ文化は、世界で最も人気のある音楽ジャンルの一つ、ラップミュージックを生み出しました。ラップは豊かな歴史を持つ音楽ジャンルであり、大衆文化の重要な部分となっています。ラッピングは、ビートに合わせて行われるリズミカルで韻を踏んだスピーチです。それは物語を伝えたり、経験を共有したり、社会や政治の問題についてコメントするための表現形式として使用されてきました。
第1.1章: ヒップホップ文化の概要
ヒップホップ文化は、1960年代にはじまり1970年代に、アフリカ系アメリカ人、アフロカリビアン、およびラティーノの都市内コミュニティで育ちました。これは、これらのコミュニティが直面していた社会経済的な困難、例えば貧困、薬物の拡散、ギャングの暴力などに対峙しようとするものでした。ヒップホップ文化は、DJ、MC、グラフィティアート、ブレイクダンス、ファッションなど、さまざまな要素を含んでいます。
第1.2章: Rapの定義とその歴史的背景
ラップミュージックは、1970年代初頭にニューヨーク市のブロンクス区でアフリカ系アメリカ人によって生まれた大衆音楽のジャンルです。それはスタイリッシュなリズム（通常はドラムビートを中心に構築されたもの）から成り立っており、ラッピングが伴うのが一般的です。1970年代、ラッピングはアフリカ系アメリカ人のティーンエイジャーを中心に、ストリートアートとしてアメリカで人気を集め始めました。1979年、The Sugarhill Gangが「Rappers Delight」という曲をリリースし、音楽レーベルにこのジャンルの存在を知らしめました。このスタイルの広まりは、Run-DMCやN.W.A.といった多くのアクトを生み出しました。観客は増え続け、白人のラップグループであるThe Beastie Boysや女性ラップグループのSalt’n’Pepaまでその範囲を広げました。ラップミュージックは、1970年代初頭の地元のハウスパーティーやダンスクラブをルーツとする重厚でパブリックな音楽とは対照的に、ミニマリストのストリートサウンドとして登場しました。ブロンクスの地域でのひっそりとした始まりからスタートして、ラップミュージックはメインストリームに移行し、アメリカの大衆文化の音楽の様相とキャラクターを再定義し、数十億ドルのエンターテインメント産業の成長に貢献しました。
ラップミュージックは、ブロンクスでの目立たない発祥から長い道のりを経てきました。それはグローバルな現象となり、ファッション、映画、テレビを含むさまざまな大衆文化の側面に影響を与えています。また商業的な成功にも関わらず、ラップミュージックは社会的なコメントや政治的な活動のための強力なツールでもあり続けています。
第2章: 「Rapper’s Delight」の誕生
「Rapper’s Delight」は、ラップミュージックをポピュラーなものにし、ヒップホップをより広い聴衆に紹介し、ジャンルの商業的成功の基盤を築いた画期的なトラックです。この曲は1979年にThe Sugarhill Gangというヒップホップグループによってリリースされました。
第2.1章: The Sugarhill Gangとは？
The Sugarhill Gangは、1979年にニュージャージー州エングルウッドで結成されたヒップホップグループでした。このグループはWonder Mike、Big Bank Hank、そしてMaster Geeの3名で構成されていました。このグループの成功は、ヒップホップをメインストリームに持ち込む助けとなり、他のヒップホップアーティストが商業的な成功を収める道を開きました。
第2.2章: 1979年のリリースの背景
「Rapper’s Delight」は1979年にリリースされた時、ヒップホップはまだ比較的新しく、アンダーグラウンドなジャンルでした。この曲の成功は、ヒップホップをブロンクスからメインストリームへと広める助けとなりました。曲のビートは、当時の人気ディスコ曲であるChicの「Good Times」をサンプリングして作られました。曲の歌詞はBig Bank Hankによって書かれましたが、彼はラッパーではなく、ファーストフードレストランの元マネージャーでした。
The Sugarhill Gangの「Rapper’s Delight」は、ヒップホップをより広い聴衆に紹介した革命的なデビュー曲でした。この曲の持続的な影響は、年月を経て多くのヒップホップの曲がそれをサンプリングしていることで見ることができます。
第3章: サンプリングの技術: CHICの「Good Times」
サンプリングは、既存の曲の一部を新しい曲の一部として使用する音楽制作の技術です。サンプリングはヒップホップ音楽の重要な部分となり、ジャンルのサウンドを形成するのを助けてきました。サンプリングのもっとも有名な例の一つが、The Sugarhill Gangの「Rapper’s Delight」で、この曲はChicの「Good Times」をサンプリングしています。
第3.1章: 「Good Times」とその時代の背景
「Good Times」は1979年、ディスコ時代にリリースされました。この曲は商業的な成功を収め、史上最も影響力のあるディスコ曲の一つと広く考えられています。この曲のベースラインは、多くのヒップホップ曲でサンプリングされており、「Rapper’s Delight」もその一つです。この曲の成功は、Chicをその時代の最も成功したディスコバンドの一つとして確立するのを助けました。
第3.2章: サンプリング技術と「Rapper’s Delight」でのその応用
「Rapper’s Delight」はChicの「Good Times」からのベースラインなどをサンプリングし、その曲のビートの基盤として使用しています。この曲はイントロでは他の曲もサンプリングしており、それはThe Incredible Bongo Bandの「Apache」です。サンプリングにより、プロデューサーは既存の作品の要素を再利用して、新しい音やテクスチャを作り出すことができます。
「Rapper’s Delight」でのサンプリングの使用は、ヒップホップミュージックにとって革命的でした。この曲の成功は、ヒップホップを正当な音楽ジャンルとして確立するのを助け、他のヒップホップアーティストが商業的に成功する道を開きました。またこの曲が先例となってサンプリングはヒップホップ音楽の重要な一部となり、ジャンルのサウンドを形成するのを助けてきました。
第4章: 結論: Rapと「Rapper’s Delight」の持続的な影響
The Sugarhill Gangの「Rapper’s Delight」は、ラップ音楽の商業的成功とメインストリームの受け入れにおいて中心的な役割を果たしました。この曲はヒップホップを広範な聴衆に紹介し、ジャンルの成長と影響の土台を築きました。「Rapper’s Delight」の影響は今日も続いており、ラップミュージックは世界で最も人気があり、影響力のあるジャンルの一つとなっています。
第4.1章: 現代のヒップホップへの影響
「Rapper’s Delight」が現代のヒップホップに及ぼした影響は強調してもし過ぎることはありません。この曲の成功は、他のアーティストがラップに挑戦し自分の音楽に取り入れるための道を開きました。これは、ラップ音楽の成長と多様化の基盤を築き、ヒップホップジャンル内で異なるサブジャンルやスタイルが登場する原動力となりました。
第4.2章: Rapの文化的意義と将来の展望
Rapミュージックはポピュラーカルチャーの重要な部分となり、ファッション、映画、テレビなどさまざまな側面に影響を与えてきました。ラップ音楽の将来の展望は明るく、進化し続け、多様化しています。ジャンルはグローバルな現象となり、世界中のさまざまな文化に影響を与えています。ラップミュージックの文化的意義は計り知れません。それは疎外されたコミュニティに声を与え、世界のさまざまな社会で政治的にも影響を与えてきました。
The Sugarhill Gangの「Rapper’s Delight」のキャッチーなビートと感染力のある歌詞は、聴衆を魅了し、ヒップホップを広い層の聴衆に紹介しました。その結果もたらされた現在のラップミュージックの文化的意義は非常に大きなものです。ラップミュージックのポピュラーカルチャーへの大きな影響は、今後も続いていくことでしょう。
この項終り
ミュージシャンが演奏？
資料を調べていたらRapper’s Delightのベースはスタジオミュージシャンが演奏したものでGood Times の音そのものではないという話がでてきました。でも聞いてみるとギターやピアノを含めてアレンジは一緒ですよね （イントロはちょこっと別に弾いてますけど）。ともあれ実際がどうであってもRapper’s DelightのヒットはGood Timesのグルーブがあってこそ。当然訴訟にはなったらしいのですが僕はその手法を確立したという意味でもRapper’s Delightには大きな価値があったんじゃないかと思います。The Sugarhill Gangがウケた理由にはキャラクターの親しみやすさとかもあったはずですよね。このPVをみて何か連想するものはありませんか？
僕は「おかあさんといっしょ」の歌のお兄さんみたいと思いました。そういうこどもにもわかるようなノリのいいポビュラリティ（大衆性）みたいなものがあったからRapという多くの人になじみのなかったものをおもしろおかしくビルボートTop36位まで押し上げることができたんじゃないかと思うんです。つまり何がいいたいかというとRitchyとD-Lin には「ノリがいいだけで内容がまったくないナンセンスソング」をRapしてもらうのも全然アリということ（）。それではまた次のブログでお目にかかりましょう！
＜追記・参考リンク＞
その後Rapper’s Delightについて読み応えのある記事を二つ見つけたのでご紹介します。