ポップソングのフォーマットを学び始めたところですが、タイミングよくSunoAIがアップデートして4分までの曲をまるまる作ってくれるようになりました。今回は学んだフォーマットをいかしてどのくらいSunoが作曲してくれるか検証していきたいと思います。
この記事でわかること
- Sunoが「ポップソング」に完全対応
- 4分までだと何小節?
- ためしてみる:J-POPの場合
ポップソングとは?
3~4分の長さの、だれでも楽しめる音楽です。要素や組み立て方などについてはくわしくは前回記事をご参照ください。
さっそくSunoにつくってもらいましょう
GTPおすすめの標準ポップソングの構成は以下の通りでした。Chorusにナンバーがなかったんですが、たぶん「全く同じものを繰り返す」という意味だと思われます。ここではわかるようにChorus 1としておきます。Intro,Outroを4小節残りを8小節とすると全体で56小節になります。BPM120だと3分~4分は90小節~120小節になりますから、かなり短いですね。2分にもとどきません。
Intro
Verse 1
Chorus 1
Verse 2
Chorus 1
Bridge
Chorus 1
Outro
BPM100を想定すると
3分~4分は75小節~100小節 なので、少なくとも80小節以上は目指したいですね。今回は88小節ということで構成を考えていきましょう。1)Verse 3をつくる。2)Chorusの前にPre-Chorusをいれる、の二つの要素を加えてやってみましょう。
Intro
Verse 1
Pre-Chorus 1
Chorus 1
Verse 2
Pre-Chorus 2
Chorus 1
Verse 3
Pre-Chorus 3
Chorus 1
Bridge
Pre-Chorus 3
Chorus 1
Outro
こんな構成を考えてみました。Intro,Outro,Pre-Chorusは4小節。残りは8小節とします。歌のある部分だけで合計88小節になりました。結構複雑になりましたが、Sunoはうまく曲にしてくれるでしょうか?
元ネタは今回はSunoに頼んでみましょう
いままで一度も使ったことがなかったのですが、Sunoは作詞もできるみたいです。ちょっと元ネタを書いてもらいましょう。テーマは「わたしたちの未来が夏の日に始まった」で考えてもらいます。入力して生成すると、プロンプトが歌詞に置き換わります。Sunoがつけたタイトルは。「夏の約束」。
[Verse]海の香り
砂の上に座って
二人は出会った
運命の言葉
胸に響いた [Verse 2]
誰も知らない
秘密の場所へ
手を繋いで行こう
夢のような未来
約束しよう [Chorus]
夏の日に始まる
二人だけの冒険
輝く瞳で
思い出を作ろう
夢を描くように
手を広げて飛び込もう
私達の未来が
今始まるの
整形と補作詞
これを最初につくった歌詞全体の構成に落とし込んでいきます。1小節当たりの基準の文字数は8音で調整していきます。今回は歌詞の内容は問わないので、GPTに整形と補作詞をやってもらいました。結果は、ほとんど同じ言葉・内容の繰り返しですが、曲として成立するか?をみるだけなので、ダミーとしてお考え下さい。これをSunoに渡して曲にしてもらいます。
GPTバージョン
[Intro]海の香り
砂の上に
座って二人
出会った運命 [Verse 1]
海の香り
砂の上に座って
二人は出会った
運命の言葉
胸に響いた
新しい風
胸に吹くよ [Pre-Chorus 1]
新しい風
胸に吹くよ
この瞬間が
始まりの合図 [Chorus 1]
夏の日に始まる
二人だけの冒険
輝く瞳で
思い出を作ろう
夢を描くように
手を広げて飛び込もう
私達の未来が
今始まるの [Verse 2]
誰も知らない
秘密の場所へ
手を繋いで行こう
夢のような未来
約束しよう
輝く星
夢の中で [Pre-Chorus 2]
輝く星
夢の中で
二人の願い
叶う瞬間 [Chorus 1]
夏の日に始まる
二人だけの冒険
輝く瞳で
思い出を作ろう
夢を描くように
手を広げて飛び込もう
私達の未来が
今始まるの [Verse 3]
潮の香り
夜の浜辺
静かな波音
心に染みる
遠くの灯り
明日への道
照らしている [Pre-Chorus 3]
明日への道
照らしている
二人の未来
輝く希望 [Chorus 1]
夏の日に始まる
二人だけの冒険
輝く瞳で
思い出を作ろう
夢を描くように
手を広げて飛び込もう
私達の未来が
今始まるの [Bridge]
新しい日々
手を取り合って
歩き出そう
夢の続きを
心の奥
希望の光
永遠に続く
未来への道 [Pre-Chorus 3]
明日への道
照らしている
二人の未来
輝く希望 [Chorus 1]
夏の日に始まる
二人だけの冒険
輝く瞳で
思い出を作ろう
夢を描くように
手を広げて飛び込もう
私達の未来が
今始まるの [Outro]
夢のように
今始まる
私達の
未来が今
この後必須のワークフロー
重要なことですが、AIは基本的には前後の文脈で出現する確率の高い言葉を繋ぐように作られています。今回の例で言えば夏と言えば海みたいな連想ですね。なので、部分的には誰にでもわかりやすく、とてもキャッチーになりますが、歌詞の全体を作らせてもあなたの「オリジナル」なものにはなりません。テーマがボケる、と言い換えてもいいと思います。そこでみなさんのワークフローとしては、このChatGPTの整形したものを、さらに自分の言葉に置き換える作業が必須になります。韻を踏んだり、字数を増やして緩急をつけたりもここで行います。AIの歌詞にはそもそも「自分」の要素は何も入っていませんから、オリジナルにするにはみなさんの手作業が絶対に必要です。だだ、ゼロからやるよりは全然ラクですよね。替え歌を歌うときのように、言葉をパズル的に当てはめていけば、詩は完成します。また、手直しのための言葉選びに再びAIの助けを借りることは全く問題ありません。
出力結果はこちら
指示はjapanese,popだけです。SunoAIが一回目に出力したのがこの二つ。
Ver.AがBPM99で4分ちょうど。Ver.BがBPM182で3分39秒 どちらもまるまる1曲出力されました。(Ver.Bは冒頭が少し乱れています。)
Ver.A
Ver.B
いかがだったでしょうか
一瞬ダミーに命が宿りました()。SunoはJ-Popにくわしくて、違和感なく曲にしてくれます。基本的に自分で考えた歌詞なので歌もスムースですね。このようにポップソングの構成さえ踏まえていれば、ここまでまとまった曲に仕上がります。みなさんも安心して1曲まるごとの作詞に取り組めるのではないでしょうか?それにしても、こうなるとわかっていれば、もっと歌詞をちゃんと書けばよかったですね。Sunoの残念な点ですが、やり直しはできません。直すならオケとボーカルを分離してボーカルだけSynthesizerVでつくりなおすしかありませんが、これはかなりの作業となります。カジュアルに楽しむ範囲は超えてしまいますので、歌詞は最初からきちんと考えた方がいいと思います。それではまた次回のブログでおめにかかりましょう。
<24/5/29追記>
さっそくリベンジしました。よろしければお聞きください。