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ピアノをひきたいと思っているかた「自動で指が動く」の中身にご注意ください

スラスラひけるというのは、個々の音をひとつひとつ意識しなくても自動的に指が動いてひけること。これからピアノをはじめる初心者のかたでそんな風に感じていらっしゃるひとは多いのではないかと思います。つまりスラスラとはある程度「無意識」でもひけるということを意味するのではないか?そんな理解でいらっしゃるのではないでしょうか。このことからの類推で「ピアノがひけるようになる」とは「譜面を見て自動的に手が動くようになること」とお考えになっているのではないかと思います。なぜなら「初見でスラスラひけるようになる」方法が知りたいという質問をよく掲示板などで見かけるからです。これは言い換えれば手の運動として楽器の演奏を覚えるということを意味しています。しかし僕のこれまでの理解ではおそらく「スラスラ」をこのように考えてしまうと多くの場合ピアノの習得が上手くいかないだろうと思います。この方法ではピアノをスラスラひくのは難しいでしょう。それはどうしてなのか?スラスラひくためには指を動かすことよりも先にやらなければならないことがあるからです。今回はここまでの歩みを振り返りつつ、ピアノをひくということについての現在の僕の考えをまとめたいと思います。

この記事でわかること

  • スラスラの中身は2段階
  • 初心者がひけるようになるには?
  • 自動になっているのはなにか?

楽器をはじめたばかりの人の音感は

言うまでもなく、めちゃめちゃ弱いです。これまで音を聞くということに注意をむけてこなかったわけですからあたりまえ。黒鍵については音の名前すらならっていないですから認識さえできません。当然といえば当然です。しかし楽器をやったことのない人の音感がいかに弱いか?は、楽器を当たり前のようにひける人には「見過ごされて」しまうことなのではないでしょうか?感覚的なものですからどうしても自分が基準になってしまいます。少し音感がよくなった自分をとってみても、メロディを聞いても音が全く取れなかった以前の自分の状態を完全に思い出すことはもうできなくなっています。たった1年前の話なのですが。

Do Re Miの感覚を身に付けながら

なので初心者が楽器を学ぶとしても、それはただ楽器のひきかたを習うということを意味しているのではありません。むしろ楽器をつかってDo Re Miの感覚を養うことの比重が高いでしょう。

ピアノが最初に習うのに適している理由

まったく肉体的な力を必要としないので(ちいさな子供でもひけます)、初心者でもすぐに正しい音が出せるから、です。こんな楽器は他にはそうそうありません。ギターだってちゃんと音をだすためには弦をおさえるのに苦労します。

指の訓練ではなく必要なのは

ピアノのために書かれた演奏のむずかしい曲にチャレンジするなら早い段階から指の訓練が必要になるでしょう。それはその通りです。また、多くの人にとってピアノは音を出すのが容易な分、速くたくさんの音を出すことに意識が向かいがちです。しかし、ここに落とし穴があります。少し落ち着いて何をしたいのか考えてみましょう。僕たちのやりたいのはポップスをひくことです。右手がひくのは歌のメロディ。人間が歌うものですから一定以上には細かく・複雑にはなりません。人間の声には限界があるからです。つまり普通の歌のメロディをひくなら特別な「訓練」は必要ありません。僕たちはピアノのためのピアノ曲よりもやさしいメロディをおぼえてひくことができればOKなんです。同時にそのことを通じてDo Re Miの感覚も次第にみについていきます。

音感の弱い僕たちに必要なことは

まずは音感をみにつけること。Do Re Mi の感覚を養うことです。そのためには音を出すときには常に音の名前を意識している必要があります。だから僕たちがDo Re Miを声には出さないにしても心の中で歌わずにひくことは原則ないはずなんです。

なんの音をひいているか

「練習」としてなんの音をひいているのかわからないほどはやく指をうごかすことは、むしろ音感の弱い僕たちには逆効果です。感覚が混乱してしまうからです。こうした練習をしていると、いつまでも音感は身につきません。

逆にDo Re Miが聞き取れるようになれば

スラスラひくことまではあと一歩です。「みつる式」でひけば階名と指とは1対1対応ですから、階名で歌えさえすれば、そのままひくことができます。そして慣れるほどにスラスラになります。

階名がわかっているから

つまり音のひとつひとつが階名で完全にわかっているからひけるようになるというのが、僕の理解です。無から有は生まれません。無意識でひけるとおっしゃる先生がなぜそう思われるのか?それは鍵盤に対応した確固とした音感をお持ちだからです。鍵盤を見ただけで先生には音が聞こえるはずです。それが聞こえていればあとは「どうひくのも自由自在」。つまり最も美しく、ラクにひく方法が選ばれるはずです。それはすなわち「無意識で」指が動くまでに体得されたものです。すべての前提は先生にとって感覚的に当たり前すぎる話。しかし、先生のような音感や演奏技術のない私たちは、当然すべての音をひとつひとつ意識しながらでなければひくことはできません。

音を把握する

譜面は一つの方法ですが、ピアノをひくのに「譜面の読み方」は必ず覚えなければならない知識でしょうか?世界的に見れば口伝で音楽を伝承している人はたくさんいるでしょう。ピアノ初心者にとって楽譜は分かりやすいものではありません。音楽サブスクが普及した現在ですから、直接原典を聞くことが容易になりました。そうやって曲を耳で覚えることのほうが聞くよろこびを味わえる分、音楽にとっては本質的ではないか?僕はそう感じています。自分の中に音を作り上げることが絶対なのであって、その方法は色々選ぶことができるはずだからです。

スラスラは2段階

スラスラは指が自動で動いているわけではありません。自分の中に音楽が完全に出来上がって、それを再生しつつそれに合わせてひいているからスラスラひけるのです。自分の中に音楽が出来上がることが先です。「音を出す」のは声または何の楽器でもOK。歌や楽器の演奏は頭の中の音楽を再現するものになります。あくまでも頭の中の音楽の存在が先です。

「自動」になるのは

タイプする時を思い出していただきたいのですが、打ちたい文字を思い浮かべたら、指は自動でうごいているはずです。何の文字を打つか考えていないということではないので、無意識とは言えないでしょう。思い浮かべた文字に対して、指が自動で動いているというのが正確な描写です。ピアノも全く同じ。思い浮かべた音に対して、指が自動で動けばスラスラひくことができます。僕たちはダイレクトに音高を思い浮かべることができません。なのでその代わりとしてDo Re Miを思い浮かべます。僕が「みつる式」で提案したのはそのための方法です。

音感の弱さをカバーしながら

この方法なら、僕たちは音感を養いながら、演奏も楽しむことができます。そして、どのkey(調)でもやり方を変える必要はありません。簡単なことは簡単に。音楽を楽しむことが目的ですから、必要以上に難しいことにチャレンジする必要はないんです。簡単な曲でも一曲ひけたら、楽しいしとても自信になりますよね。こうして1年もたてばメロディはいつのまにかDo Re Miで聞こえるようになっているはずです。なぜならいつもDo Re Miの音として聞いていて、それ以外のものとして聞くことが一度もないからです。

僕たちは音階を身に付けながら

いかがだったでしょうか?僕たちがやっているのは音感を身に付けながらの、ピアノの学習です。しかも目的はポップスの楽曲をひくこと。かなり限定された目的ですが逆に音を楽しむという音楽の本質にはまっすぐ取り組んでいます。音楽的にははるかに高度なことはもちろん承知していますが、演奏者としてピアノを弾けるようになることもまたかなり限定されたピアノの目的であることにはちがいありません。なぜなら万人が目指すべきことではないからです。「楽しむ」ことが目的ならそれに合わせて必要なことを選択するのが大事。僕はそのように考えています。それではまた次回のブログでお目にかかりましょう。

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